アウディの中古車は値上がりしているのか。結論から言うと、それを確かめられる公式の資料はない。アウディ ジャパンが公表しているのは新車のメーカー希望小売価格で、中古車の価格は1台ごとに販売店が付ける。アウディの中古車の価格の推移を示す公的な統計も、確かめられなかった。
公式に確かめられるのは、新車の価格が改定で上がってきたことだ。たとえばQ2 35 TFSI advancedは、2021年10月の改定後が4,000,000円、2026年4月発売時の価格表では4,420,000円になっている(いずれも税込)。
以下、アウディ ジャパンの公式サイトとプレスリリースで確かめられることだけで、新車価格、年式の見分け方、認定中古車の保証、買う前の確かめ方をまとめる。
アウディの中古価格に公式の相場はなく、「高騰」は確かめられない
誤解されやすいのがここだ。新車の価格でさえ、アウディ ジャパンは価格表で次のように断っている。
表示価格はメーカー希望小売価格(消費税込み)で参考価格です。販売価格はAudi 正規ディーラーが独自に定めていますのでお問い合わせください。
中古車はさらに、年式・走行距離・装備・状態が1台ずつ違う。メーカーが「中古のA4はいくら」と決めた数字はない。当サイトの以前の記事には「中古が新車を上回る」「前年より10%以上上昇」「平均中古価格450万円以上」といった記述があったが、出典を確かめられなかったため全部消した。
気になる車があれば、その車の支払総額と、同じモデルの新車価格や保証の残りを並べて見るのが確実だ。
新車の希望小売価格は改定で上がってきた
アウディ ジャパンは、新車のメーカー希望小売価格を何度か改定している。2021年8月26日の発表では、10月1日からの改定について「原材料価格の値上がりによるもの」と説明していた。同じモデル名で、公式の発表に残る価格を並べると次のようになる。
| モデル | 発表時の価格(税込) | 2026年4月発売時の価格(税込) |
|---|---|---|
| Q2 35 TFSI advanced | 3,940,000円(2021年10月の改定前)→4,000,000円(改定後)→4,300,000円(2024年12月4日発売) | 4,420,000円 |
| A5 TFSI 110kW | 5,990,000円(2025年2月17日発売) | 6,170,000円 |
| A5 Avant TFSI 110kW | 6,240,000円(2025年2月17日発売) | 6,420,000円 |
| S5 | 10,350,000円(2025年2月17日発売) | 10,650,000円 |
ただし、2024年12月のQ2(MIB3を全モデルに標準装備)と2026年4月のA5・S5(運転支援の標準装備を増やした)は、仕様の変更も含んだ価格だ。上がったのは新車の価格で、中古車の価格が同じだけ上がったという意味ではない。
2026年10月3日時点の価格表には15シリーズが載り、A1 Sportback 25 TFSI advancedの3,600,000円からRS e-tron GT performanceの24,700,000円まである。「2026年4月発売時」の参考価格で、保険料や登録の諸費用などは含まない。
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は、国産車・輸入車の約300車種から選べます。
年式とモデル名で、どの世代かを見分ける
中古車を見るときは、同じ車名でも世代や仕様が違う点に気をつけたい。公式の発表で確かめられる主な切り替わりは次のとおりだ。
| モデル | 公式の発表 | 中古で見るときの目安 |
|---|---|---|
| A4 → A5 | 2025年2月17日、A4を引き継ぐ新しいA5シリーズ(セダンタイプとAvant)を発売 | それより前のA5は、Coupé・Sportbackなどの先代モデル。A4は今の価格表にない |
| Q5 | 2025年7月24日、第3世代の新型Q5/Q5 Sportbackを発売 | それより前に新車登録されたQ5は先代モデル |
| Q3 | 2026年5月19日、新型Q3/Q3 Sportbackを発売 | それより前に新車登録されたQ3は先代モデル |
| A6 | 2026年6月25日、新型A6/A6 Avantを発売 | それより前に新車登録されたA6(A6 e-tronを除く)は先代モデル |
グレード名の付け方も変わった。2021年の価格改定の資料ではA4やA5に「40 TDI quattro」のような数字の名前が並ぶが、新しいA5は「TFSI 110kW」「TDI quattro 150kW」のように出力で表す。今の価格表ではA6・Q3・Q5も同じ書き方で、Q2は「35 TFSI」のままだ。モデル名の書き方は、世代を見分ける手がかりになる。
確実なのは車検証だ。初度登録年月と型式を見て、販売店に「どの年式の、どのモデルか」を確かめたい。
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Audi認定中古車は5つの条件と100項目の点検をくぐった車
公式に条件がはっきりしている探し方が、Audi正規ディーラーの「Audi認定中古車(Audi Approved Automobile)」だ。アウディ ジャパンは、認定中古車の車両が満たす条件として次の5つを挙げている。
- Audi正規輸入車であること
- 新車登録時からの正規メンテナンスノートがあること
- 初年度登録日から12年以内であること
- 走行距離10万km以下であること
- 修復歴車、改造車でないこと
納車前には、AUDI AGが認定する資格を持つテクニシャンが、48時間をかけて100項目の整備・点検を行うとしている。各モデルの情報が入った専用テスターで、過去の細かな不具合も確かめる。

認定中古車の保証は3つのグレードで、最長7年
Audi認定中古車の保証は、保証期間によって3つのグレードに分かれる。保証の内容は同じで、期間が違う。
| グレード | 対象 | 保証期間 |
|---|---|---|
| Audi Approved Automobile Premium Plus | 初度登録3年以内 | 新車保証の残りにさらに2年(初度登録から最長5年) |
| Audi Approved Automobile Premium | 初度登録3年超10年以内 | 中古車登録から2年 |
| Audi Approved Automobile | 初度登録12年以内 | 中古車登録から1年(新車保証の残りがあれば、その後から1年) |
どのグレードでも、有償で1年または2年の延長保証に入れる。公式サイトは、これらを合わせて「最長7年のロング保証」としている。保証はエンジンやトランスミッション、ブレーキから、オーディオ・ナビゲーションまで幅広く、全国のサービス工場で無償修理する。内外装品(塗装・サビを含む)、消耗部品、油脂類は除く。
保証が終わっても1か月以内なら、ブレーキやタイヤ、バッテリーなどを無料で点検する(修理代は自己負担)。アウディ ジャパンは、認定中古車の保証は車両状態や走行距離によって販売店が付けるとしている。買う前に、その車のグレードと保証の終わる日を保証書で確かめたい。
買う前にリコールと新車保証の残りを確かめる
どこで買う場合も、その車がリコール等の対象か、対策が済んでいるかを確かめたい。アウディ ジャパンの公式サイトの「リコール関連情報」には、リコール等情報検索の入口がある。ただし、対象の車台番号の範囲には対象外の車や対策済みの車も含まれることがあるため、車検証の内容を示して正規ディーラーのサービス工場に問い合わせるよう案内している。対象車の輸入期間は、購入した時期とは違う点にも注意したい。
国土交通省のリコール情報検索では、車名・型式・届出日から届出の内容と対象の範囲を調べられる。輸入車は車台番号ではなくシリアル番号で届け出されている場合があり、その場合は車体のプレートなどの番号と照らし合わせる。過去の届出はアウディのリコール記録を輸入時期で整理した記事にまとめている。

新車の保証も確かめたい。アウディの新車には、新車納車日から3年間の一般保証が付く(塗装は3年、錆穴は走行距離にかかわらず12年)。自動車公正取引協議会は、一般にこの期間内の中古車は、メーカーが定める条件を満たせばメーカー保証を継承できるとしている。継承の手続きと費用は、購入前に販売店に確かめたい。
整備記録も大事だ。認定中古車の保証でも、メンテナンスノートや点検整備記録簿を持っていることが守る事項に入っている。記録簿の有無と、最後に点検を受けた時期を見せてもらうとよい。
価格は支払総額で比べ、乗り換えなら今の車の査定も取る
中古車の店頭や広告の価格は、2023年10月1日から「支払総額」で表示することになった(自動車公正取引協議会の自動車公正競争規約)。支払総額は、車両価格に、保険料・税金・登録等の手続代行費用といった最低限の諸費用を足した額だ。
ただし、支払総額は販売店の管轄で登録し、店頭で納車する場合の価格だ。県外で登録する場合や自宅まで届けてもらう場合、オプションを付けた場合は別に費用がかかる。協議会は、「納車準備費用」のように本来は車両価格に含めるべき費用を諸費用として別に請求することは認められないとしている。見積もりをもらったら、支払総額と請求額が同じか、差があれば何の費用かを確かめたい。
今の車を手放して乗り換えるなら、その車がいくらになるかも予算に入れておきたい。アウディ ジャパンは、Audi認定中古車を扱う正規ディーラーでの無料買取査定も案内している。
輸入車の売却では、下取りの提示額だけで決めず、輸入車を専門に扱う店の査定も取っておくと比べやすくなります。輸入車買取センター
は輸入車専門・全国対応のネット査定です。
アウディのほかの購入の記事は購入ガイド・選び方のカテゴリにまとめている。Q2を検討している人はアウディQ2の販売状況の記事も参考にしてほしい。
情報源
- アウディ ジャパン「Audi 価格表」(2026年10月3日確認)
- アウディ ジャパン「Audi認定中古車」(2026年10月3日確認)
- アウディ ジャパン「Audi認定中古車 クオリティ」(2026年10月3日確認)
- アウディ ジャパン「Audi認定中古車 保証期間に応じた3グレード」(2026年10月3日確認)
- アウディ ジャパン「Audi認定中古車 保証内容」(2026年10月3日確認)
- アウディ ジャパン「Audi認定中古車 延長保証」(2026年10月3日確認)
- アウディ ジャパン「Audi認定中古車 無料点検」(2026年10月3日確認)
- アウディ ジャパン「Audi認定中古車 買取査定」(2026年10月3日確認)
- アウディ ジャパン「メーカー保証 Audi Warranty」(2026年10月3日確認)
- アウディ ジャパン「リコール関連情報」(2026年10月3日確認)
- Audi Japan Press Center「アウディ、10月1日より希望小売価格を改定」(2021年8月26日)
- Audi Japan Press Center「Audi Q2/SQ2をアップデート」(2024年12月4日)
- Audi Japan Press Center「新型Audi A5シリーズを発売」(2025年2月17日)
- Audi Japan Press Center「新型Audi Q5シリーズを発売: スポーティなオールラウンダーの第3世代」(2025年7月24日)
- Audi Japan Press Center「アウディ、PPCを採用するAudi A5、Audi Q5をアップデート」(2026年4月21日)
- Audi Japan Press Center「新型Audi Q3シリーズを発売」(2026年5月19日)
- Audi Japan Press Center「新型Audi A6 / A6 Avantを発売」(2026年6月25日)
- 国土交通省「リコール情報検索」(2026年10月3日確認)
- 自動車公正取引協議会「中古車の販売価格の表示が「支払総額」に変わりました!!」
- 自動車公正取引協議会「広告や店頭の価格では購入できない(整備や保証等の購入を強制)等のトラブルが寄せられています」(PDF、2021年5月)

