メルセデス・ベンツVクラスの中古が「安い」と言い切れる相場は、公表されていない。メルセデス・ベンツ日本が出しているのは新車のメーカー希望小売価格と保証の内容で、中古車の価格は1台ごとに販売店が付ける。安いかどうかは、見積もりで比べるしかない。
公式で確かめられるのは、新車のVクラスが9,770,000円(税込)から14,080,000円(税込)であること、認定中古車に2年の保証が付くこと、そして車の諸元から税金と燃料代が計算できることだ。この記事では、そこまでを書く。中古の相場の数字や、安くなる理由の「定説」は、出典を確かめられなかったので載せていない。
中古Vクラスが安いと言い切れる相場は公表されていない
メルセデス・ベンツ日本の公式サイトには、中古車の価格推移やリセールバリューの割合は載っていない。公式の認定中古車ページが示すのは、保証や点検の内容だ。国土交通省や自動車公正取引協議会の資料にも、車種ごとの中古相場はない。
「安い」という印象は、新車価格が高いことから生まれている面もあるだろう。新車は税込9,770,000円からだ。ただ、年式や走行距離ごとに中古の価格がいくらなのか、同じクラスのミニバンと比べて安いのかは、公的な資料では確かめられなかった。だから結論は、気になる車の支払総額の見積もりを複数の店から取り、保証と維持費まで含めて比べることになる。

新車のVクラスは9,770,000円から14,080,000円
公式サイトのVクラスのページ(2026年10月4日確認)には、4つのグレードの価格が載っている。いずれもメーカー希望小売価格(税込)だ。公式のラインアップは、現行の新車の話であって、中古で買う車の新車時の価格ではない。参考として、頭金100万円・年3.0%(仮)・60回の元利均等で借りた場合の月々も計算した。
| グレード | 新車価格(税込) | 月々(頭金100万円・60回) | 利息の合計 |
|---|---|---|---|
| V 220 d | 9,770,000円 | 157,585円 | 685,125円 |
| V 220 d long | 10,130,000円 | 164,054円 | 713,249円 |
| V 220 d EXCLUSIVE long Platinum Suite | 13,930,000円 | 232,335円 | 1,010,110円 |
| V 220 d EXCLUSIVE extra-long Black Suite | 14,080,000円 | 235,030円 | 1,021,828円 |
金利の3.0%は計算のための仮の数字で、実際の金利は借りる先で決まる。価格には保険料、税金、登録などの諸費用、オプションが含まれない。V 220 dのサイズは公式で全長4,895mm・全幅1,930mm・全高1,880mmだ。駐車場に入るかは、買う前に自分の車庫で確かめたい。
公式ページには「MP」というモデル識別コードが並ぶ
公式ページには【MP202602】と【MP202701】という2つのコードが並び、どちらも9,770,000円からだ。公式は「MPとはメルセデス・ベンツ日本にて使用しているモデル識別コードになります」と説明している。年式との対応は、公式には書かれていない。
同一の名称の装備であっても、機能詳細はモデル・MPによって異なる場合があります。
中古では、同じ「V 220 d」でも年式によって装備が違うことがある。古い年式の装備や価格の履歴は公式ページに載っていないので、気になる車の初度登録年月と装備は、販売店に書面で確かめたい。
中古の価格は「支払総額」で比べる
中古車の販売価格は、2023年10月1日から「支払総額」(車両価格+保険料・税金・登録等の手続代行費用)で表示する決まりだ。県外登録・店頭以外での納車・オプションは別に費用がかかる。車両価格だけを見て「安い」と判断せず、見積もりの支払総額と、最終的な請求額の差が何の費用かを確かめる。
維持費は排気量1,949ccと車両重量から計算できる
国土交通省の燃費一覧(令和8年3月・輸入ディーゼル乗用車)に、V 220d(型式3DA-447811CP)が載っている。総排気量1.949L、車両重量2,380〜2,400kg、乗車定員7名、WLTCモード燃費13km/Lだ。この値から、年にかかる費用を計算した。
| 項目 | 金額 | 根拠 |
|---|---|---|
| 自動車税(年) | 36,000円(2019年10月1日以後の初回登録)/39,500円(同9月30日以前) | 東京都主税局の税率表、1.5L超2L以下 |
| 重量税(継続検査2年・エコカー外の場合) | 41,000円(年あたり20,500円) | 国交省の税額表、車両重量2〜2.5トン |
| 重量税(継続検査2年・本則税率の場合) | 25,000円(年あたり12,500円) | 同上。燃費一覧の達成レベルが80%以上のため |
| 自賠責保険(24か月) | 18,560円(年あたり9,280円) | 2026年11月1日以降の始期 |
| 軽油(1万km) | 123,077円 | 全国平均160円/L(2026年9月28日)・13km/L |
2019年10月以後に登録した車の場合、税金と自賠責の年額は、36,000円+20,500円+9,280円=65,780円(重量税がエコカー外の場合)。これに年1万kmの燃料代123,077円を足すと、年188,857円になる。重量税が本則の25,000円(年12,500円)なら、36,000円+12,500円+9,280円=57,780円で、燃料込みでは年180,857円だ。燃料は1km走ると約12.31円、5,000kmで61,538円、1万5,000kmで184,615円だ。車検の整備費、任意保険、駐車場、タイヤ・消耗品は含んでいない。
重量税の金額は、その車がエコカー減税の区分に当たるかで変わる。国土交通省の燃費一覧では、現行型式のV 220 dの令和12年度基準の達成レベルは80〜81%で、令和2年度基準も達成している。このため、継続検査では本則税率の25,000円(2年)になる可能性が高い。表には、エコカー外の41,000円と本則の25,000円の両方を載せた。個体ごとの区分は確かめていない。自賠責の改定は自賠責保険料が11月1日から値上げの記事にまとめている。

ディーゼルなので重課とアドブルーの確認が要る
V 220 dはディーゼルだ。今の法律で自動車税の重課の対象になるのは、ディーゼル車なら2017年3月31日までに登録した車までで、新しいVクラスは13年・11年を超えても自動車税は上がらない。旧税率(2019年9月以前の登録)の1.5L超2L以下の車は、39,500円から45,400円になる。重量税は、継続検査で13年経過は57,000円、18年経過は63,000円になる(エコカー外の場合)。車検証の初度登録年月で確かめる。重課の考え方は自動車税13年超の早見表にある。
国交省の燃費一覧には、この車の排出ガス対策としてSCRが載っている。尿素水(アドブルー)を使う仕組みの車では、補充の費用と手間がかかる。補充の頻度はアドブルーの補充頻度の記事にまとめている。
保証はメルセデス・ベンツ認定中古車の2年が公式にある
公式の認定中古車ページには、保証が次のように書かれている。
| 種類 | 期間・内容 |
|---|---|
| 認定中古車保証 | 2年間(走行距離無制限)。メルセデス・ベンツ日本の指定サービス工場で必要な整備が行われ、認定された認定中古車のみが対象。高電圧バッテリーは対象外 |
| メルセデス・ケア(新車保証) | 新車登録日より3年・走行距離無制限。継承されている認定中古車は、その期間はこちらが優先 |
認定中古車以外の中古車には、この保証は付かない。販売店独自の保証の範囲と、新車保証が引き継げるかは、見積もりのときに書面で確かめたい。輸入車の中古全般の確認点は輸入車の中古はやめたほうがいい?で扱っている。
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リセールの割合は公表されていない。手放す額は査定で確かめる
Vクラスのリセールバリューや買取相場の数字は、メルセデス・ベンツ日本も国の機関も公表していない。手放す額は店ごと・時期ごとに違い、実際に査定を受けて見比べるしかない。リコールの有無は、メルセデス・ベンツ日本の「リコール情報」と国土交通省のリコール情報検索に車台番号を入れて、買う前に確かめられる。

関連する記事は、カテゴリ購入ガイド・選び方にまとめている。
情報源
- メルセデス・ベンツ日本 Vクラス(価格・サイズ・MPコード、2026年10月4日確認)
- メルセデス・ベンツ日本 認定中古車(保証、2026年10月4日確認)
- メルセデス・ベンツ日本 リコール情報
- 国土交通省 自動車燃費一覧(令和8年3月)輸入自動車(2026年10月4日確認)
- 国土交通省 リコール情報検索
- 国土交通省 2026年5月1日からの自動車重量税の税額表(継続検査等時)(2026年10月3日に目視)
- 東京都主税局 自動車税(2026年10月1日確認)
- 損害保険料率算出機構 自賠責保険の基準料率の改定(2026年4月)
- 資源エネルギー庁 石油製品小売市況調査(2026年9月28日調査)
- 自動車公正取引協議会「支払総額」の表示

