首都高速道路株式会社は2026年7月31日、2026年10月1日(木)午前0時に首都高速道路の料金を改定すると発表した。普通車の1kmあたりの料金は29.52円/kmから32.472円/kmへ、1割引き上げられる。
ETC車の上限料金は、普通車で1,950円から2,130円、軽・二輪で1,590円から1,740円になる。一方、下限料金(普通車の場合300円)は変わらない。中型車・大型車・特大車は特別措置で、2027年6月末まで改定前の料金に据え置かれる。
この記事では、首都高速道路株式会社のプレスリリース、料金改定の特設ページ(改定後の料金・割引・よくある質問)、説明資料PDFで確認できたことだけを扱う。
1kmあたりの料金は1割上がる。まず対象になるのは普通車と軽・二輪だ
今回の改定は、利用距離に応じて払う「1kmあたりの料金」を引き上げるものだ。プレスリリースは普通車について次のように書いている。
1kmあたりの料金を、普通車の場合で約3円引き上げます。
ETC車の基本料金は「料金距離×車種区分ごとの1kmあたりの料金+150円」に消費税率を掛け、10円単位に四捨五入して決まる。150円は1回の利用ごとの固定額だ。変わるのは1kmあたりの料金の部分で、特設ページのよくある質問に載っている改定前後の額は次のとおり。
| 車種区分 | 改定前(1kmあたり) | 改定後(1kmあたり) | 新料金になる時期 |
|---|---|---|---|
| 軽・二輪 | 23.616円 | 25.978円 | 2026年10月1日 |
| 普通車 | 29.52円 | 32.472円 | 2026年10月1日 |
| 中型車 | 35.424円 | 38.966円 | 2027年6月末まで据え置き |
| 大型車 | 48.708円 | 53.579円 | 2027年6月末まで据え置き |
| 特大車 | 81.18円 | 89.298円 | 2027年6月末まで据え置き |
車種区分は変わらない。これまでどおり「軽・二輪」「普通車」「中型車」「大型車」「特大車」の5区分だ。首都高は改定の理由として、労務費・材料費の急激な高騰で維持管理コストの上昇への対応が喫緊の課題になっていることを挙げている。

下限料金は据え置き、上限料金は普通車で2,130円になる
1kmあたりの料金が上がっても、料金の「下限」と「上限の決まり方」は改定前の考え方が維持される。
- 下限料金:すべての車種区分で改定前の額を維持する(普通車の場合300円)
- 上限料金:設定距離は改定前と同じ55.0km。55.0km以上の利用には引き続き55.0kmの額を適用する
上限の距離は同じでも、1kmあたりの料金が上がるので、上限料金の額そのものは上がる。特設ページのよくある質問は、普通車について「改定前の1,950円から、改定後は2,130円となります」と答えている。説明資料PDFに載っている車種区分ごとの基本料金(ETC車)は次のとおりだ。
| 車種区分 | 改定前の基本料金 | 改定後の基本料金 |
|---|---|---|
| 軽・二輪 | 280円~1,590円 | 280円~1,740円 |
| 普通車 | 300円~1,950円 | 300円~2,130円 |
| 中型車 | 330円~2,310円 | 330円~2,520円(特別措置期間中は330円~2,310円) |
| 大型車 | 400円~3,110円 | 400円~3,410円(特別措置期間中は400円~3,110円) |
| 特大車 | 550円~5,080円 | 550円~5,570円(特別措置期間中は550円~5,080円) |
説明資料は、下限料金を残す理由を「短距離利用車増加による渋滞を抑制するため」、上限の距離を55kmのままにする理由を「長距離利用車の負担の増加を考慮し」と説明している。
「どこでも1割値上げ」ではない。短い区間ほど上げ幅は小さい
「1割引き上げ」は1kmあたりの料金の話だ。支払う額には1回ごとの固定額150円が含まれ、下限料金も据え置かれるため、区間ごとの上げ幅は1割より小さくなる。平均改定率は全車で8.1%とされている(2024年度のETC車の利用実績データをもとに算出)。
説明資料PDFには、普通車・ETCの場合の料金例が5つ載っている。
| 区間(料金距離) | 現行 | 改定後 |
|---|---|---|
| 川崎浮島JCT~空港中央(4.2km) | 300円 | 320円(+20円、+6.7%) |
| 京葉道接続~錦糸町(7.9km) | 420円 | 450円(+30円、+7.1%) |
| 中央道接続~箱崎(18.8km) | 780円 | 840円(+60円、+7.7%) |
| 川口JCT~葛西(33.8km) | 1,260円 | 1,370円(+110円、+8.7%) |
| 三ツ沢接続~三郷JCT(56.6km) | 1,950円 | 2,130円(+180円、+9.2%) |
距離が長いほど上げ幅は大きくなり、上限料金にあたる56.6kmの区間で180円増だ。ただし55.0kmを超えると料金は上限で止まるので、それより長く走っても普通車は2,130円を超えない。

現金・クレジットカードで払うと、多くの区間で上限料金になる
ETCを使わない場合の扱いは別だ。特設ページのよくある質問は、現金車の基本料金は一部区間を除いてETC車の上限料金になると説明している。クレジットカードで払う場合も、現金と同じ料金が適用される。
現金やクレジットカードの車は、首都高に入って最初に通る料金所で車種区分に応じた料金を払えば、首都高全線を利用できる。改定前後の額は次のとおりだ。
- 軽・二輪:1,590円 → 1,740円
- 普通車:1,950円 → 2,130円
説明資料PDFは、非ETC車に区間最大料金(普通車:2,130円)を適用し、放射線の下り方向利用等を除くと注記している。つまり現金やクレジットカードで払う場合は、短い区間しか走らなくても、一部区間を除いて上限料金を払うことになる。なお、現金やクレジットカードの車はETC専用入口を通れない。首都高はETC専用化の工事を進めており、クレジットカードを契約しない人向けには有料道路の通行料金の支払いに限った「ETCパーソナルカード」(年会費が必要)を案内している。
中型車以上は2027年6月末まで据え置きで、7月から新料金になる
10月1日から新料金になるのは軽・二輪と普通車だ。中型車・大型車・特大車は、「道路運送事業(中型車以上)における価格転嫁に向けた環境整備に伴う当面の特別措置」の対象になる。プレスリリースの記述は次のとおり。
中型車・大型車・特大車は10月1日から2027年6月30日までの9カ月間、現行料金に据え置きます。
特設ページの改定後の料金では、中型車・大型車・特大車の料金を「2027年7月1日から」としている。据え置きの代わりに、中型車以上は2030年7月1日から2031年3月31日までの9か月間、大口・多頻度割引の割引率拡充を最大25%に縮小する。首都高は、トラックやバスなど道路運送事業の大部分を占める中型車以上を対象にしたと説明している。
大口・多頻度割引の拡充は2031年3月末まで続く
割引は、料金改定に合わせて期間が延びる。プレスリリースに書かれているのは次の2点だ。
- 大口・多頻度割引の割引率拡充措置(最大45%)を2031年3月31日まで継続
- 都心流入割引と都心流入・湾岸線誘導割引を2031年3月31日まで継続
特設ページの割引のページによると、多頻度割引(車両単位割引)は車両ごとの月間利用額に応じて割り引く仕組みで、たとえば月間利用額5,000円超~10,000円以下の部分は2%(2031年3月末までは10%)だ。環境ロードプライシング割引や深夜割引など、そのほかの割引に変更はないとされている。
都心流入割引は、対象の出入口と都心環状線の対象出入口の間を、決められた額まで割り引く。改定後の普通車の割引後の額は、たとえば湾岸線(川崎浮島~大井)が790円、池袋線が970円だ。

自分の区間がいくらになるかは、首都高の料金検索で確かめる
よく使う区間の新しい料金は、特設ページの「あなたのご利用料金をチェック」から案内されている首都高の料金改定後の料金・ルート検索で調べられる。この記事の料金例は普通車・ETCの5区間だけなので、自分の区間は公式の検索で確かめるのが確実だ。
切り替わりのタイミングにも注意したい。よくある質問によると、基準は首都高の入口等を通過した(最初のETCアンテナと通信した)時刻だ。
- 2026年9月30日(水)午後11時59分以前に入口等を通過:改定前の料金
- 2026年10月1日(木)午前0時00分以降に入口等を通過:改定後の料金
社用車などで月の利用額が多い場合は、大口・多頻度割引の対象かどうかも首都高の案内で確かめておくとよい。高速料金を含めた車の維持費の記事は、維持費・燃費のカテゴリにまとめている。

