テスラの自宅充電に使う機器は2種類ある。取り付ける「ウォールコネクター」と、持ち運べる「モバイルコネクター」だ。テスラ公式サポートによると、ウォールコネクターは最大9.6kW(48A)で、テスラ車なら1時間の充電で最大64km分の航続距離を足せる。
ただし、Model 3 RWDとModel Y RWDは、最大充電速度が32A(6.4kW)で、1時間あたり最長43kmだ。自宅の電気の契約(ブレーカー)の大きさも、速度に関わる。
この記事では、テスラ公式サポートの「ご自宅での充電」と「ウォールコネクター」のページ(2026年10月9日確認)の記載だけを使って、機器の違い、充電速度、設置の流れ、書かれていないことを整理する。

ウォールコネクターは最大9.6kW、1時間で最大64km分
公式サポートが書くウォールコネクターの特徴は次のとおりだ。
| 項目 | 公式の記載 |
|---|---|
| 最大出力 | 9.6kW/48A |
| 充電速度(テスラ車) | 1時間の充電で最大64kmの航続距離分 |
| 対応車 | テスラ車と、それ以外のほとんどの電気自動車(充電インレットに合うプラグが付いたものを買う) |
| 設置場所 | 屋内・屋外(充電ポートに雨や雪が当たらないようにする) |
| アプリ | Teslaアプリで設定。Wi-Fiにつなぐと、制御・予約・データの取得ができ、ファームウェアは自動で更新される |
| 保証 | 通常の住宅での使用は請求日から48か月、通常の商用利用は12か月 |
テスラは、ウォールコネクターを「最も便利な家庭用充電オプション」と位置づけ、設置を推奨している。Wi-Fi接続があれば、他社のEVの充電も、Teslaアプリで制御・管理できると書かれている。
ブレーカーの大きさで、1時間あたりの充電距離が変わる
公式サポートの技術仕様の表は、ブレーカー(A)と最大出力に応じた、1時間あたりの航続距離の目安を示している。Model 3 PerformanceとModel Yパフォーマンスの列を、そのまま抜粋する。
| ブレーカー | 最大出力(A) | 200Vの電力 | Model 3 Performance(km/h) | Model Yパフォーマンス(km/h) |
|---|---|---|---|---|
| 60A | 48A | 9.6kW | 64 | 64 |
| 50A | 40A | 8.0kW | 54 | 53 |
| 40A | 32A | 6.4kW | 43 | 43 |
| 30A | 24A | 4.8kW | 32 | 32 |
| 20A | 16A | 3.2kW | 21 | 21 |
| 15A | 12A | 2.4kW | 16 | 16 |
注には、Model 3 RWDとModel Y RWDの最大充電速度は32A(6.4kW)で、1時間あたりの航続距離は最長43km、とある。RWDは、40Aのブレーカー以上でも、これより速くはならない。
1日の走行距離から、必要な時間を考える
公式の数字を使った計算の例だ(実際の走行や気温で変わる)。1日に50km走る人が、RWDを32Aで充電すると、50÷43で約1.2時間。夜に8時間つなげば、43×8で最長344km分の電気を足せる計算になる。毎日の走行が短い人は、一晩の充電で十分な場合が多い。
公式サポートは、100km未満の走行や週末だけの運転なら、30Aのブレーカーで夜間に充電するだけで十分だとしている。1日の走行距離が長い人は、電気の契約を見直す必要がある。ただし、車載チャージャーにも上限があるので、担当者に相談するよう書かれている。
モバイルコネクターは、200Vのコンセントに接続する
もう1つの機器がモバイルコネクターだ。公式サポートでは、家庭用コンセントまたはEV用200Vコンセントにつなげて、外出先でも使えるとされている。自宅にすでに200VのEV用コンセントがあるなら、モバイルコネクターを使うのがおすすめと書かれている。
一般の家庭用コンセントでの充電もできる。ただし、既存のコンセントを使うときは、認定設置業者または電気工事士に点検してもらってから使うよう、公式サポートは勧めている。速度の数字は、モバイルコネクターについては公式サポートのページに載っていない。
ウォールコネクターを設置しないと充電できない、という意味ではない
ここは誤解しやすい。公式サポートは「テスラ車はモバイルコネクターでも充電できる」と書いている。そのうえで、スケジュール設定や他社EVへの対応など、最も便利なのはウォールコネクターだ、と説明している。設置するかどうかは、自宅のコンセントの状況と、使い方で決める。
設置の流れは、見積もり→購入→設置の予約の順
ウォールコネクターのページが示す手順は次のとおりだ。
- Tesla認定設置業者を探す(郵便番号または住所で検索)
- 見積もりを依頼する(業者から2〜3営業日以内に連絡がある)
- 設置業者から見積もりを受け取ってから、ウォールコネクターをオンラインで注文する
- 発送確認のメールを設置業者に転送し、設置日を直接予約する
設置は納車前までにするのがおすすめ、と書かれている。設置作業は通常数時間だが、電気工事業者の確保と日程の調整に2週間ほどかかる場合がある。車を注文したら、早めに設置業者に連絡したい。
設置費用は、見積もりを取らないと分からない
公式サポートは、設置料金は自宅の充電設備と電気系統によって異なる、と書いている。金額は載っていない。見積もりに通常含まれるのは、設置作業と機器、許可、点検、設置保証だ。次のものは、通常はオプションになる。
- 長い配線(分電盤から設置場所までの距離)
- 追加のサブパネル
- 溝掘り(地下配線)
- 分電盤のアップグレード
- 台座の取り付け
- 壁の後ろにケーブルを隠す工事
駐車場所が分電盤から遠い家は、配線の費用が増える可能性がある。複数のオプションが必要な家ほど、見積もりの金額は上がる。
集合住宅と機械式駐車場は、先に管理者へ相談する
集合住宅に住んでいる人は、充電器の設置について、施設の管理者に問い合わせる。公式サポートには、EV用の自宅充電器を設置したい旨と、その有用性を、家主や管理組合に相談するときに使える文書のテンプレート(日本語)が用意されている。
機械式駐車場など、技術上設置が困難な場所には、ウォールコネクターを使えない場合がある、とも書かれている。自宅で充電できるかどうかは、車を注文する前に確かめたい。
購入前に確かめること
- 自宅の駐車場所に、200Vの電源を引けるか(分電盤との距離、管理者の許可)
- 電気の契約のブレーカーの大きさ(30Aあれば、100km未満の日常には十分、と公式は説明)
- グレードの航続距離と、1日の走行距離。グレードの違いはModel Yのグレード比較とModel 3のグレード比較にまとめている
- 遠出のときの充電。スーパーチャージャーはスーパーチャージャーの記事で整理した
情報源
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画像: テスラ Model 3 の充電口(2017年に米国で撮影)、撮影 Steve Jurvetson、CC BY 2.0(Wikimedia Commons)

