LEXUSは2026年9月1日、「NX」の新型モデルを世界初公開した。リリースの表現は「一部改良」。発売は2026年末以降、順次各地域で予定されている。日本での発売日と価格は、リリースに書かれておらず未発表だ。
変更点として挙げられているのは、ハイブリッドシステムの一新、内外装デザインの刷新、車内の光や香りを演出する「Sensory Concierge(センサリーコンシェルジュ)」の新採用など。主要諸元はプロトタイプ値で、全長は4,690mmと従来型より30mm長い。全幅・全高・ホイールベースは変わっていない。
リリースの写真はすべて「プロトタイプ」と書かれている。この記事では、リリース本文と、そこから開ける「プレスリリース全文(車両詳細)」のPDFに書かれていることだけを扱う。
発売は2026年末以降で、日本の発売日と価格は未発表
日付について、リリースが書いているのは次の1文だけだ。
LEXUSは、「NX」を一部改良し、9月1日に世界初公開しました。2026年末以降、順次各地域で発売を予定しています。
「各地域」がどの国を指すのか、日本がいつなのかは書かれていない。価格表もない。予想価格はこの記事では書かない。分かっているのは「2026年末以降」という幅までだ。
NXについてリリースは、2014年にLEXUS初のコンパクトクロスオーバーSUVとして誕生し、2026年7月末時点で90以上の国と地域で累計約190万台を販売した、と書いている。

フルモデルチェンジではない。リリースの表現は「一部改良」
「新型NX」はフルモデルチェンジなのか。リリースは、今回の変更を「一部改良」と書いている。タイトルは「新型モデルを世界初公開」だが、本文ではフルモデルチェンジという言葉は使われていない。
数字の上でも、主要諸元の表は全幅1,865mm、全高1,660mm、ホイールベース2,690mmがいずれも従来型比「±0」だ。変わっているのは全長の「+30」だけだ。表のうち従来型比が付いているのは、この寸法の4行だけになる。
ただし中身の変更は小さくない。リリースは「ハイブリッドシステムを一新し、その走りを進化させるとともに、内外装デザインも刷新しました」と書いている。呼び方は一部改良、変更の範囲は走りと内外装の両方、というのが正確なところだ。
主要諸元はプロトタイプ値で、全長だけが30mm伸びている
リリースに載っている主要諸元は次のとおり。見出しに「プロトタイプ値」とあり、重量には「地域・仕様によって異なります」、出力と加速には「開発中の暫定値」の注記が付いている。
| 450h+(2.5L AWD) | 350h(2.5L AWD) | 350h(2.5L FF) | 300h(2.0L FF) | |
|---|---|---|---|---|
| 全長(mm) | 4,690(+30) | |||
| 全幅(mm) | 1,865(±0) | |||
| 全高(mm) | 1,660(±0) | |||
| ホイールベース(mm) | 2,690(±0) | |||
| 車両重量(kg) | 2,050-2,130 | 1,790-1,870 | 1,730-1,810 | 1,690-1,750 |
| タイヤサイズ | 235/60R18、235/50R20 | |||
| エンジン | 2.5L 直列4気筒 | 2.0L 直列4気筒 | ||
| トランスアクスル | 電気式無段変速機 | |||
| エンジン出力(kW) | 100-135 | 110 | ||
| システム出力(kW) | 215-240 | 140-180 | 145 | |
| 加速[s](0-100km/h) | 6.0 | 7.1-7.8 | 9.2 | |
| EV航続距離 | >40mile[米国] >100km[欧州] >140km[日本] |
- | ||
( )内は従来型比。EV航続距離はいずれも開発中の暫定値で、米国はEPAモード、欧州はWLTPモード、日本はWLTCモードの値だ。
表に並んでいるのは450h+、350h、300hの3つ。どのモデルが日本で売られるのかは、リリースに書かれていない。なお現行型の日本のラインアップは、LEXUSの商品サイトではNX450h+とNX350hが販売中で、ガソリンエンジンモデルのNX350は「販売を終了しました」と案内されている。
ハイブリッドシステムは一新され、450h+はDC急速充電に対応する
リリースの「車両詳細」PDFは、新世代ハイブリッドシステムについて次の点を挙げている。
- トランスアクスル、モーター、PCU(Power Control Unit)を一体化したe-Axleを採用
- インバーターのパワー素子にSiC(シリコンカーバイト)を採用し、燃費の向上に貢献
- 電池の出力向上などにより、より高い動力性能も実現
プラグインハイブリッドのNX450h+は、バッテリーが新開発になる。
NX450h+は、電池出力が8%、電池容量が30%向上した新開発のバッテリーを搭載し、EV航続距離も大幅に向上させました。
電池容量の30%には注記があり、北米は従来比8%向上とされている。あわせてDC急速充電に対応し、電動充電リッドも採用した。バッテリーのセルの配置は従来の前後方向から横方向に変わり、ボディの横方向の剛性向上と低重心化につながった、と説明されている。

ボディとシャシーは、剛性と制御の両方に手が入っている
走りの変更として、PDFには数字の付いた項目がいくつかある。
- フロアクロスの追加とトンネル稜線部の補強で、フロア剛性を約25%向上
- サスペンションタワーの構成部品を一体化し、剛性を約30%向上
- ステアリングホイールを10mm小径化して360mmに変更し、「バリアブルラックギア」を採用
- 極微低速バルブ付ショックアブソーバーを新採用(AVS アダプティブバリアブルサスペンションシステム非装着車)
E-Four(電気式AWDシステム)は後輪のモーター駆動制御が変わり、直進時も含む常時AWD走行になった。旋回中にごくわずかな制動力をかける新しいブレーキ制御も採用されている。サスペンションのチューニングは、Toyota Technical Center Shimoyamaのテストコースに加え、ドイツのニュルブルクリンクと周辺道路で行った、とある。
内外装は刷新され、車内の光と香りを選べる「Sensory Concierge」が加わる
外観では、ヘッドランプやコーナリングランプをグリルと融合させ、メッシュグリルを採用した。アウターミラーやモール類はクロムメッキから黒基調に変わる。リヤコンビネーションランプには、LEXUS初の「ダブルLシグネチャー」を採用した。
ボディカラーは新色を含む9色。新色として「SONIC TELLUS」と、F SPORT設定色の「TITANIUM CARBIDE GRAY」が挙げられている。インテリアカラーは2色の新色を含む5色で、新色は「ABALOS」とF SPORT設定色の「PROMINENCE」だ。
インストルメントパネルには、12.3インチ液晶メーターと14インチのナビゲーションシステム/マルチメディアを水平に並べた。
新しく入る「Sensory Concierge」は、イルミネーション、音楽、空調、シート温度、フレグランスを3つのモード(INSPIRE、RADIANCE、REVITALIZE)で連携させる機能だ。フレグランスは5種類が設定され、そのうち3種類の専用カートリッジをグローブボックス内の発生器に同時に搭載できる。

安全装備は最新のLexus Safety System +になる
PDFによると、NXは最新のLexus Safety System +を採用する。主な変更点は次のとおり。
- レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)に、エコランモードと地図連携機能を新たに追加
- プリクラッシュセーフティは、交差点の出会い頭のシーンで警報とブレーキの作動車速を拡大
- ドライバー異常時対応システムに、高速道路・自動車専用道で路肩に寄せて停車する機能を追加
- ブラインドスポットモニターが、自車の側方を走る自転車・バイクも検知
地図連携機能や路肩に寄せる機能などには「地域/仕様によって異なります」の注記が付いている。日本仕様にどの機能が付くかは、リリースからは分からない。
今NXを検討している人が確かめること
新型の日本での発売日と価格は未発表だ。いま商談を進めるなら、話の対象は現行型になる。LEXUSのNX商品サイトに出ている現行型の全パッケージの価格は5,500,000~7,725,000円(消費税込み)。これは新型の価格ではない。
納期についても、LEXUSの工場出荷時期目処のご案内(2026年9月25日更新)では、NX350h・NX450h+とも「詳しくは販売店にお問い合わせください」となっている。新型を待つか現行型にするかは、販売店で日本向けの情報が出ているかを聞いて決めるのが確実だ。
NX250・NX350(いずれも現在は新車販売なし)の違いはNX250とNX350の違いを比べた記事、NXを選ぶ人の傾向はレクサスNXの購入層を扱った記事でまとめている。
ほかの車種の比較やレビューは、車種レビュー・比較のカテゴリにまとめている。

