フォレスター・クロストレック改善対策379台|リコールとの違いとPレンジのロック喪失

フォレスター・クロストレック改善対策379台|リコールとの違いとPレンジのロック喪失

株式会社SUBARUは2026年9月24日、フォレスターとクロストレックについて、国土交通省に改善対策を届け出た。改善対策届出番号は721、対象は2型式で計379台。改善対策開始日は2026年9月25日で、すでに始まっている。

内容は、トランスアクスルの部品にクラック(ひび)が入っているものがあり、最悪の場合、Pレンジでパーキングロック機能が失われるおそれがある、というものだ。不具合の件数も事故も0件と届け出られている。

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「フォレスター リコール」で調べてここに来た人も多いと思うが、今回の届出はリコールではなく改善対策だ。ただし、国土交通省は改善対策でも修理を必ず受けるよう呼びかけており、SUBARUは無料で修理すると案内している。違いはあとの見出しで説明する。

目次

対象は2型式379台。自分の車かどうかは車台番号で確かめる

対象になるのは、ストロングハイブリッドのフォレスターとクロストレックだ。国土交通省の改善対策届出一覧表には、次のように記載されている。

通称名 「クロストレック」 「フォレスター」
型式 5AA-GUF 5AA-SLG
車台番号の範囲 GUF-026178 〜 GUF-026365 SLG-022430 〜 SLG-023107
製作期間 令和8年6月10日 〜 令和8年6月16日 令和8年6月10日 〜 令和8年6月20日
対象台数 110台 269台
届出番号/開始日 改善対策届出番号721/令和8年9月25日(計2型式・計379台)

どちらも2026年6月に作られた車で、製作期間の全体の範囲は令和8年6月10日〜6月20日。両端を含めて11日間に作られた車だ(日数は編集部の計算)。

一覧表の下には、次の注意事項が付いている。

改善対策対象車の車台番号の範囲には、対象とならない車両も含まれている場合があります。

実際、範囲の番号の数と台数は合わない。クロストレックはGUF-026178からGUF-026365までで番号は188個あるが、対象は110台。フォレスターはSLG-022430からSLG-023107までで番号は678個あるが、対象は269台だ(番号の個数は編集部の計算)。範囲に入っているだけでは対象と決まらない。

確かめる方法は、SUBARUのリコール等情報対象車両検索だ。車検証に書かれた車台番号を、ハイフンの前と後ろに分けて入力する。毎朝4:00〜6:00はメンテナンスのため使えない。

車検証の車台番号欄を指で示し、スマートフォンのメーカー検索画面に入力しようとしている手元
イメージ画像です。

リコールではなく改善対策。違いは保安基準に規定があるかどうか

国土交通省は自動車のリコール制度についてのページで、回収・修理を3種類に分けている。リコールと改善対策の定義は次のとおりだ。

リコールとは、同一の型式で一定範囲の自動車等又はタイヤ、チャイルドシートについて、道路運送車両の保安基準に適合していない又は適合しなくなるおそれがある状態で、その原因が設計又は製作過程にあると認められるときに、自動車メーカー等が、保安基準に適合させるために必要な改善措置を行うことをいいます。

改善対策とは、リコール届出と異なり、道路運送車両の保安基準に規定はされていないが、不具合が発生した場合に安全の確保及び環境の保全上看過できない状態であって、かつ、その原因が設計又は製作過程にあると認められるときに、自動車メーカー等が、必要な改善措置を行うことをいいます。

分かれ目は、不具合の中身が保安基準に規定されているかどうかだ。改善対策は、保安基準の規定には当たらないが、安全や環境の面で放っておけないものを指す。国土交通省に届け出る点はリコールと同じで、今回も国土交通省が報道発表を出している。

3つ目のサービスキャンペーンは、国土交通省の説明では「リコール届出や改善対策届出に該当しないような不具合で、商品性・品質の改善措置を行うこと」とされる。改善対策はこれとも別の区分で、国土交通省への届出の対象だ。

国土交通省は同じページで、「リコール・改善対策の際には、安全確保の観点などから修理を必ず受けるようにしましょう」と呼びかけている。リコールでないから受けなくてよい、ということにはならない。

費用について、SUBARUはリコール制度についてのページで、改善対策を「国土交通省に届け出て自動車を無料で修理する制度です」と説明している。リコール情報のトップページでも、改善作業を「(無料)」と書いている。

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改善対策721は、Pレンジでパーキングロックが効かなくなるおそれがある

不具合の部位は、動力伝達装置(トランスアクスル)。状態と原因は、国土交通省の一覧表とSUBARUの改善対策のページに同じ文で書かれている。

トランスアクスルにおいて、インターミディエイトケースの鋳造金型のメンテナンスが不適切なため、Pレンジでギアをロックするパーキングポウルの支持部にクラックが発生しているものがある。そのため、使用過程にてパーキングポウルの支持部が破損し、最悪の場合、Pレンジでパーキングロック機能が喪失するおそれがある。

順に追うと、原因は部品を作る型(鋳造金型)の手入れが不適切だったこと。その結果、インターミディエイトケースという部品のうち、パーキングポウルを支える部分にクラックが入ったものがある。パーキングポウルは、Pレンジでギアをロックする部品だ。

使っているうちに支持部が壊れると、最悪の場合、Pレンジに入れてもパーキングロックの機能が失われるおそれがある、というのが届出の要点だ。

車のシフトレバー(セレクター)がPレンジに入っている様子のアップ
イメージ画像です。

出典は「クラックが発生しているものがある」と書いている。対象車のすべてにクラックがあるという意味ではない。一方で、対象車に乗っている間どう使えばよいかについては、出典に記載が無い。気になる場合は、販売店に問い合わせて確かめる。

直し方は点検。クラックがあればトランスアクスルを良品に交換する

改善対策の内容は、次のとおり記載されている。

全車両、トランスアクスルを点検し、インターミディエイトケースにクラックがある車両はトランスアクスルを良品に交換する。

対象の379台はすべて点検を受ける。交換になるのは、点検でクラックが見つかった車だけだ。部品を1つ替えるのではなく、トランスアクスルごと良品に交換する、と書かれている。

作業にかかる時間は、出典には書かれていない。入庫の日時は販売店と相談して決めることになる。

不具合も事故も0件。見つけたのはSUBARUの社内情報

国土交通省の一覧表では、不具合件数は「0件」、事故の有無も「0件」だ。発見の動機は「社内情報による。」と記載されている。

市場から不具合の情報が寄せられて始まった届出ではなく、SUBARUが社内で見つけて届け出た、ということになる。実際に壊れた例が報告されていない段階での届出だ。

ターボのフォレスター(3BA-SL5)は今回の届出に載っていない

SUBARUのフォレスターの主要諸元には、2つの型式が載っている。「2.5L DOHC 直噴+2モーター[e-BOXER(ストロングハイブリッド)]」の5AA-SLGと、「1.8L DOHC 直噴ターボ “DIT”」の3BA-SL5だ。

今回の届出一覧表に載っている型式は5AA-SLGだけで、3BA-SL5は載っていない。クロストレックの5AA-GUFも、SUBARUのクロストレックの主要諸元ではストロングハイブリッドの型式だ。

ただし、型式が合っていても対象とは限らない。上に書いたとおり、決め手は車台番号での検索だ。

通知はDMで届く。作業が済むと検索に「実施済」と出る

使用者への周知の方法は、一覧表に「ダイレクトメール等で通知する。」と記載されている。整備事業者には日整連発行の機関誌で、ほかにSUBARUのホームページにも掲載するとしている。

SUBARUはリコール情報のトップページで、対象者にはDMで案内するとしたうえで、「お早目に担当販売店、または最寄りのスバル販売店までご連絡いただき、ご来店日時をご予約の上」作業を受けるよう求めている。DMを待たずに、検索で対象と分かった時点で販売店に連絡してよい。

販売店の整備工場で、リフトに上げた車の下回りを点検している整備士
イメージ画像です。

作業が済んだかどうかの確かめ方も変わっている。改善箇所説明図には、識別として「弊社のインターネットホームページのリコール等情報対象車両検索に“実施済”と表示する。」と記載されている。国土交通省も、令和8年4月1日以降は各メーカーのホームページの検索で車台番号を入力して識別できるようになる、と説明している。

SUBARUの識別に関するお知らせによると、以前は黄色ペイントの塗布などで識別していた。また「改善作業完了後、検索結果に反映されるまでに 2 週間 以上かかる場合があります」とある。作業直後に検索して「実施済」と出なくても、すぐに慌てる必要はない。

問い合わせ先は、SUBARUお客様センター SUBARUコール 0120-052215。この番号は国土交通省の一覧表にも、問い合わせ先として記載されている。受付時間は、SUBARUのページでは平日9:00〜17:00、土日祝は9:00〜12:00と13:00〜17:00だ。ただし対象車両検索のページには、平日12:00〜13:00と土日祝はインフォメーションサービスのみの対応と書かれている。車検証を手元に用意しておくと話が早い。

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