自賠責保険料が11月1日から値上げ|乗用車24か月18,560円、軽は18,660円に

自賠責保険料が11月1日から値上げ|乗用車24か月18,560円、軽は18,660円に

自賠責保険の保険料が上がる。損害保険料率算出機構は2026年4月30日、自賠責保険の基準料率を平均6.2%引き上げる届出を金融庁長官に行い、5月21日に適合性審査が終わった。

最も代表的な自家用乗用自動車(保険期間24か月、離島および沖縄県を除く地域)は、17,650円から18,560円になる。910円、5.2%の引上げだ。軽自動車(検査対象車)の24か月は17,540円から18,660円になり、1,120円上がる。

スポンサーリンク

新しい料率は、2026年11月1日以降に保険期間が始まる契約に適用される。この記事では、損害保険料率算出機構と金融庁の公表資料で確認できたことだけを扱う。金額は、断りがない限り離島以外の地域(沖縄県を除く)の基準料率だ。

目次

自家用乗用自動車の24か月は17,650円から18,560円になり、910円上がる

新旧の基準料率表から、自家用乗用自動車の主な保険期間を抜き出すと次のとおり。新料率は2026年4月30日届出の表、現行料率は2023年1月18日届出の表の数字だ。

保険期間 現行(2026年10月31日以前に始まる契約) 新料率(2026年11月1日以降に始まる契約) 差額
12か月 11,500円 12,250円 +750円
13か月 12,010円 12,770円 +760円
24か月 17,650円 18,560円 +910円
25か月 18,160円 19,070円 +910円
36か月 23,690円 24,690円 +1,000円
37か月 24,190円 25,180円 +990円

差額は、表の金額から計算した。24か月と36か月の金額と差額は、損害保険料率算出機構の概要資料にある「主要車種の改定率の例」とも一致する。概要資料では、36か月の自家用乗用自動車の改定率は4.2%だ。

整備工場の明るい作業スペースで、リフトの前に停まる一般的な乗用車
イメージ画像です。

軽自動車は24か月で1,120円上がり、自家用乗用自動車より高くなる

軽自動車(検査対象車)の主な保険期間は次のとおりだ。

保険期間 現行(2026年10月31日以前に始まる契約) 新料率(2026年11月1日以降に始まる契約) 差額
12か月 11,440円 12,300円 +860円
13か月 11,950円 12,830円 +880円
24か月 17,540円 18,660円 +1,120円
25か月 18,040円 19,170円 +1,130円
36か月 23,520円 24,830円 +1,310円
37か月 24,010円 25,330円 +1,320円

概要資料の改定率は、24か月が6.4%、36か月が5.6%だ。自家用乗用自動車の5.2%・4.2%より上げ幅が大きい。

その結果、金額の順番が入れ替わる。現行の24か月は自家用乗用自動車17,650円、軽自動車17,540円で軽のほうが110円安い。新料率では自家用乗用自動車18,560円、軽自動車18,660円で、軽のほうが100円高くなる。

概要資料は、改定率は車種や保険期間などの契約条件によって異なると注記している。平均の6.2%は全車種の平均で、どの車も6.2%上がるわけではない。

スポンサーリンク

新しい料金になるのは「2026年11月1日以降に保険期間が始まる契約」だ

いつから変わるかについて、損害保険料率算出機構の届出の案内は次のように書いている。

※本表の基準料率は2026年11月1日以降に保険期間の始期を有する保険契約に適用されます。

現行の基準料率表(2023年1月18日届出)の案内には、2023年4月1日以降、2026年10月31日以前に保険期間の始期を有する保険契約に適用される、とある。つまり、新旧の境目は保険期間の始期が10月31日か11月1日かだ。

損害保険料率算出機構によると、会員の損害保険会社は現在すべて、この基準料率を自社の保険料率として使っている。

「車検を受けた日」で決まるわけではない。基準は保険期間の始期だ

誤解されやすいのがここだ。一次資料が新旧の境目にしているのは、自賠責の保険期間が始まる日で、車検を受けた日や契約の手続きをした日ではない。

10月中に車検を受ける場合も、新旧どちらの料率になるかは、その自賠責の保険期間がいつ始まるかで決まる。自分の契約の始期がいつになるのかは、手続きをする販売店や整備工場、保険会社・代理店に確かめるのが確実だ。

国土交通省は、自賠責保険・共済に加入していないと車検を受けることができない、と説明している。車検の費用に自賠責が含まれている場合は、その金額が新旧どちらの料率なのかを見積もりの段階で確かめたい。

カレンダーの10月と11月の境目にペンで印をつけている手元
イメージ画像です。

値上げの理由は、引下げに使ってきた滞留資金の減少と、物価・賃金の上昇だ

自賠責の基準料率は、保険金の支払いに充てる純保険料率、保険会社の経費にあたる社費、代理店手数料などでできている。金融庁の第153回自賠責保険審議会の資料1は、それぞれの改定率を次のように示している。平均6.2%は、各改定率に現行の構成割合をかけて足し合わせた数字だ。

項目 その項目自体の改定率(資料1) 現行の構成割合 平均6.2%のうちの分(概要資料)
純保険料率 3.3% 58.5% 1.9%分
社費 12.9% 29.8% 3.8%分
代理店手数料 4.4% 10.2% 社費と合わせて4.3%分
基準料率全体 6.2%

損害保険料率算出機構の概要資料は「純保険料率(1.9%の引上げ)」「社費と代理店手数料(4.3%の引上げ)」と書くが、注記で、構成割合に基づく計算値で金融庁の審議会資料の数値とは異なると断っている。1.9%や4.3%は6.2%の内訳で、純保険料率そのものは3.3%、社費そのものは12.9%上がる。

純保険料率が上がる理由は、滞留資金の減少だ。滞留資金とは、過去の契約の収支差額の累計と利息の蓄積を合わせた額をいう。2023年4月に引き下げた現行の純保険料率は、2022年度末の滞留資金の見込額7,239億円を、2023年度から2027年度までの5年間で契約者に還元する前提で計算されていた。概要資料は、その結果として純保険料率が収支の均衡する水準より3割程度安く設定されていると書いている。

その後、保険金の支払いが進み、滞留資金は2022年度末の7,239億円から、2025年度末には5,215億円(見込み)へと2,000億円程度減った。資料1によると、見込まれる損害率が現行の想定より低い分で6%程度の引下げ、純保険料に充てる滞留資金が減った分で9%程度の引上げになり、差し引きで純保険料率を平均3.3%引き上げる。

社費が上がる理由について、概要資料は次のように書いている。

物価・賃金の上昇を背景に、保険契約の締結・管理、保険金の支払およびこれらを支える IT システムを賄うための社費が上昇しています。

2024年度の経費計算基準の見直しで、支出社費は150億円程度(概算値)削減された。それでも資料1では、契約1件当たりの社費は現行の5,056円から改定後は5,707円になり、社費の改定率は12.9%になる。代理店手数料は1件当たり77円上がる(1,735円→1,812円)。なお、政府の保障事業などの財源に充てる賦課金の金額は、今回変わらない。

金融庁の審議会は2026年4月17日の第152回で引上げの方向性を示し、4月30日の第153回で、新しい基準料率を2026年11月から適用することについて答申した。

自賠責の改定は、任意保険(自動車保険)の保険料とは別の話だ

今回変わるのは、法律で加入が義務付けられている自賠責保険の基準料率だ。任意で入る自動車保険の保険料とは仕組みが違う。

国土交通省の説明では、自賠責保険・共済の保険料は車種ごとに一律で、保険会社の利益を含まない。一方、自動車保険・共済の保険料は契約者の属性や事故歴などで異なり、利益が含まれる。自賠責の対象は人身事故の対人賠償だけで、物損事故は対象にならない。

今回の6.2%は自賠責の話で、自動車保険の保険料がいくら変わるかを示す数字ではない。自動車保険の保険料は、契約している保険会社の案内で確かめる必要がある。

車検を控えている人は、見積もりの自賠責の保険期間と金額を確かめる

やることは3つだ。

  • 見積もりにある自賠責の保険期間(何か月か)と金額を確かめる
  • その金額を、この記事の表の現行・新料率と照らし合わせる
  • 保険期間の始期が10月31日以前か11月1日以降かを、手続きをする店や保険会社・代理店に確かめる

離島(沖縄県を除く)と沖縄県は、基準料率表が別に定められている。この記事の金額は離島以外の地域(沖縄県を除く)のものなので、該当する地域の人は損害保険料率算出機構の基準料率表で自分の区分を確かめたい。

車の維持費は自賠責だけではない。自動車税の標準の税額と、登録から13年を過ぎた車の重課後の税額は、自動車税(重量税)13年経過後早見表でまとめている。

自宅の駐車場に停まる軽自動車と乗用車が並んでいる様子
イメージ画像です。

ほかの維持費や燃費の記事は、維持費・燃費のカテゴリにまとめている。

スポンサーリンク

情報源

目次