東京都のEV・PHEV向けの補助金(令和8年度ZEV車両購入補助金)は、2026年7月1日以降に初度登録した車から金額が引き上げられた。運営する東京都環境公社(クール・ネット東京)の手引き(2026年9月11日改訂版)によると、基本額はEV・PHEVとも20万円(給電機能ありは30万円)に上がり、メーカー別の上乗せも最大60万円になっている。
基本額にメーカー別上乗せを足して見ると、給電機能なしの場合の合計は、テスラが70万円、BYDが30万円だ。国のCEV補助金とは別の制度で、東京都の補助は国の補助の対象になっている車に限られる。
補助額は「基本額+メーカー別上乗せ」で決まる。7月1日で基本額が倍になった
手引きによると、補助額は次の4つを足して決まる。
- ①基本補助額(給電機能の有無で変わる)
- ②自動車メーカー別の上乗せ補助額
- ③再生可能エネルギー導入による上乗せ(再エネ100%の電力契約、または太陽光発電設備の設置)
- ④充電設備(V2B・V2H)・公共用充電設備の導入による上乗せ
このうち①と②が、車を買う人の誰にでもかかわる部分だ。初度登録日で、基本額は次のように変わる。
| 初度登録日 | 給電機能なし | 給電機能あり |
|---|---|---|
| 令和7年4月1日〜令和8年6月30日 | 10万円 | 20万円 |
| 令和8年7月1日以降 | 20万円 | 30万円 |
ここでいう「給電機能」は、外部給電器やV2H充放電設備を経由して、または車載コンセント(AC100V・1,500W)から電力を取り出せる機能のことだ。
メーカー別の上乗せは、販売実績(最大10万円)、ラインナップ(最大10万円)、GX評価項目(最大20万円から40万円に拡大)の3つで決まり、最大60万円になった。
メーカー別の上乗せ額と、基本額を足した合計
手引き(9月11日改訂版)に載っているメーカー別の上乗せ額(7月1日以降の初度登録車)に、基本額20万円(給電機能なし)を足した額が次の表だ。合計は編集部の計算で、再エネ・充電設備の上乗せは含まない。
| メーカー(ブランド) | 上乗せ額(8.7.1以降) | 基本20万円を足した合計 |
|---|---|---|
| トヨタ自動車(トヨタ・レクサス) | 60万円 | 80万円 |
| 日産自動車(日産) | 60万円 | 80万円 |
| 本田技研工業(ホンダ) | 60万円 | 80万円 |
| Stellantisジャパン(アバルト・アルファロメオ・シトロエン・ジープ・DS・フィアット・プジョー) | 55万円 | 75万円 |
| 三菱自動車工業(三菱) | 50万円 | 70万円 |
| Tesla Japan合同会社(テスラ) | 50万円 | 70万円 |
| マツダ | 45万円 | 65万円 |
| ビー・エム・ダブリュー(BMW・MINI・ロールス・ロイス) | 40万円 | 60万円 |
| メルセデス・ベンツ日本(メルセデス・ベンツ) | 40万円 | 60万円 |
| SUBARU(スバル) | 40万円 | 60万円 |
| ゼネラルモーターズ・ジャパン(キャデラック) | 30万円 | 50万円 |
| スズキ | 25万円 | 45万円 |
| フォルクスワーゲン グループ ジャパン(アウディ・フォルクスワーゲン・ベントレー・ランボルギーニ) | 20万円 | 40万円 |
| ボルボ・カー・ジャパン(ボルボ) | 20万円 | 40万円 |
| ジャガー・ランドローバー・ジャパン(ジャガー・ランドローバー) | 10万円 | 30万円 |
| ポルシェジャパン(ポルシェ) | 10万円 | 30万円 |
| BYD Auto Japan(BYD) | 10万円 | 30万円 |
| Kia PBV ジャパン(キア) | 5万円 | 25万円 |
| Hyundai Mobility Japan(ヒョンデ) | EV 10万円(FCV 20万円) | EV 30万円 |
手引きは、この表について「最新の自動車メーカー別の上乗せ額は『車両助成金額シミュレーション』よりご確認ください」と案内している。表に載っていないメーカー・ブランドの車でも、要件を満たせば基本補助額などの対象になる場合があるという。

テスラは40万円から70万円に、BYDは20万円から30万円に。給電機能なしで比べると
4月1日〜6月30日の登録車と、7月1日以降の登録車で、同じ条件(給電機能なし)の合計額を比べるとこうなる。メーカー別の上乗せは、手引きの表の「R8.4.1〜R8.6.30の車両」と「R8.7.1以降の車両」の列の数字だ。
| メーカー | 4月1日〜6月30日の登録 | 7月1日以降の登録 |
|---|---|---|
| テスラ | 基本10万円+30万円=40万円 | 基本20万円+50万円=70万円 |
| BYD | 基本10万円+10万円=20万円 | 基本20万円+10万円=30万円 |
テスラの公式サイトの注文ページには、「CEV補助金127万円、東京都は+70万円のZEV補助金対象。」という表示が出ている(2026年10月4日に確認)。上の計算の70万円と一致する。
給電機能ありなら基本額が10万円上がる。高額車は0.8倍になる
基本額には、給電機能ありの車に10万円が加わる。ただし、自分の買う車が給電機能ありの扱いになるかは、この手引きだけでは分からない。車ごとの助成額は、手引きで案内されている都の「車両助成金額シミュレーション」で確かめる必要がある。
もう一つ、車両の価格(税抜)が840万円以上の車は、上の①〜④の合計に0.8を掛けた額が補助額になる。たとえばメーカー別上乗せが大きくても、高額なグレードでは満額にならない。
再エネ電力や充電設備を入れると上乗せがある
手引きによると、上乗せは次のとおり。EVの場合、再生可能エネルギー100%の電力メニューを契約すると+15万円、太陽光発電設備を設置すると+30万円。V2B・V2Hの充放電設備を導入すると+10万円、公共用の急速・超急速充電器の導入では+10万円、普通充電器では+5万円だ。充電設備の上乗せは、1台あたり10万円が上限になる。再エネ電力の契約と太陽光は併用できない。
再エネの上乗せは、交付申請の時点で「契約済み」または「太陽光を設置済み」であることが要件で、交付決定後に上乗せ分だけ追加で申請することはできない。充電設備の上乗せは、先に充電設備側の助成事業に交付申請していることが要件になる。
東京都の補助金は、国のCEV補助金の対象になっている車だけが対象だ
東京都の補助金は、国のクリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)の対象になっているZEV車に限られる。東京都の2026年3月30日の報道発表にそう書かれている。補助額は、国と東京都でそれぞれ別に決まる。
国の補助との併用は、手引きによると「自家用」なら基本的にできる。「事業用」「貨物」の場合は、国の補助額と都の基本助成額を足した額が基準額を超えると、都の補助が対象外になることがある。事業用で買うときは、東京都環境公社に確かめておきたい。
国のCEV補助金は、2026年9月4日の次世代自動車振興センターの発表で、申請受付の終了見込みが12月上旬〜12月下旬とされている。東京都の受付は2026年4月30日から2027年3月31日までだが、手引きによると申請は先着順に受理され、予算の範囲を超えた日に受理が止まる。超えそうなときは、事前にホームページで公表するとしている。
申請の条件と期限
- 対象者:都内の個人、事業者等(手引きの「事業の概要」)
- 申請期限:初度登録日から1年以内、かつ令和9年3月31日(水曜日)17時まで。先着順で、予算を超えた日に受理が止まる
- 受け取りの流れ:新車を登録したあと、交付申請をして、受付・審査・交付決定を経て、助成金が申請時の口座に入る。手引きの図には、入金までおよそ3〜5か月程度かかる見込みとある(不備があると遅れる)
- 受付期間(令和8年度):令和8年4月30日から令和9年3月31日まで
国の補助金と同じく、先に値引きされる仕組みではなく、登録後に自分で申請して受け取るものだ。国と都それぞれの申請の要件と期限は、買う前に確かめておきたい。

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