三菱自動車は2026年9月17日、軽商用EV「ミニキャブ EV」を一部改良し、同じ日に全国の系列販売会社で販売を始めた。メーカー希望小売価格(消費税10%込み)は2,541,000円(2シーター)から2,651,000円(4シーター・急速充電器付)だ。
改良の中心は3つ。車載通信機(TCU)がメーカーオプションで選べるようになったこと、予防安全機能「三菱e-Assist」が強化されたこと、スマートフォン充電用USBポートがType-Cの2口になったことだ。リリースには、旧価格との比較は載っていない。
この記事では、三菱自動車のニュースリリース2本(2026年9月17日)と、公式の車種サイト(価格・主要装備・主要諸元)で確かめたことだけを書く。確認日は2026年10月4日。
ミニキャブ EVの価格は2,541,000円から。4グレード
グレードは「CD 20.0kWh」の1種類で、座席数(2シーター・4シーター)と急速充電機能の有無で4つに分かれる。リリースの価格表は次のとおり。
| 座席数 | 急速充電 | 車両本体価格(税込) |
|---|---|---|
| 2シーター | なし | 2,541,000円 |
| 2シーター | 急速充電付 | 2,596,000円 |
| 4シーター | なし | 2,596,000円 |
| 4シーター | 急速充電器付 | 2,651,000円 |
急速充電機能を付けると55,000円、2シーターを4シーターにしても55,000円高い。リサイクル料金、保険料、消費税を除く税金、届出等に伴う費用は価格に含まれない。

改良の1つ目は、車載通信機(TCU)がメーカーオプションで選べること
リリースによると、法人・事業者向けの「車両運行サポートサービス」に対応した車載通信機(TCU)が、メーカーオプションとして新しく設定された。公式サイトの主要装備では、TCUは次のセットオプションの中に入っている。
- TCU+キーレスエントリーシステム(プレ空調スターター機能付)+プライバシーガラス(スライドドア・リヤクォーター・テールゲート)+リヤアンダーミラー+充電用USBポート(インパネ、Type-C×2): 4シーター全車 79,750円、2シーター全車 96,250円(税込)
- TCUなしの同じセット: 4シーター全車 44,550円、2シーター全車 61,050円(税込)
TCUを付けると、同じ内容のセットよりも35,200円高い。TCUだけを単品で選ぶ形ではない点に注意したい。
車両運行サポートサービスは月額1,210円(税込)/台。法人向け
三菱自動車は同じ日に、法人向けの「車両運行サポートサービス」の提供開始も発表した。対象は、2026年9月の改良以降のミニキャブ EVで、メーカーオプションのTCUを付けた車両だ。リリースには「対象車種は順次拡大を予定」とある。
| 項目 | 内容(三菱自動車のリリースより) |
|---|---|
| 利用料金 | 月額1,210円(税込)/台 |
| 構成 | ダッシュボードサービス+「MITSUBISHI CONNECT」 |
| 管理者向け | 車両位置の把握、稼働実績の表示、運行実績の出力。走行履歴・走行距離・消費電力量の集計・分析 |
| ドライバー向け | リモートエアコン、リモート充電(タイマー充電設定を含む)、リモートドアロック/アンロック、SOSコールなど |
| そのほか | 車両データを既存の充電管理・運行管理システムへ連携するAPI連携に対応 |
ご利用には別途月額利用料が必要、とリリースの注記にもある。個人の自家用で使えるのかどうかは、リリースに書かれていない。対象は「法人のお客様」だ。
予防安全は、夜間の歩行者・自転車を検知し、標識も認識する
「三菱e-Assist」の強化点は、リリースによると次の3つだ。
- 衝突被害軽減ブレーキ(FCM)の検知対象を、夜間の歩行者や自転車まで拡大した
- 誤発進抑制機能(前進時)が、静止している歩行者の検知にも対応した
- 標識認識システム(TSR)を採用した。一時停止標識と進入禁止標識を、フロントガラス上部のフロントカメラで認識し、メーターパネル内に表示する
公式サイトの主要装備では、TSRは「最高速度標識は除く」と注記されている。速度の標識は認識の対象外だ。主要装備の「安全関連装備」には、ほかに車線逸脱警報システム(LDW)、オートマチックハイビーム(AHB)、リヤのパーキングセンサーが並び、全グレードに標準装備されている。
航続距離は一充電走行距離180km。電力量消費率は127Wh/km
走行性能の数字は、公式の主要諸元(国土交通省審査値)のとおり。今回のリリースは、モーターや電池の変更には触れていない。
| 項目 | 数字 |
|---|---|
| 一充電走行距離 | 180km |
| 交流電力量消費率(WLTCモード) | 127Wh/km(市街地102・郊外119・高速道路142) |
| 駆動用バッテリー | リチウムイオン電池、総電圧330V、総電力量20.0kWh |
| モーター | 最高出力31kW(42PS)、最大トルク195N・m(20kgf・m) |
| 駆動方式 | 2WD(後輪駆動) |
| 全長×全幅×全高 | 3,395mm×1,475mm×1,915mm |
| 最大積載量 | 2シーター 350kg/4シーター 350kg(4名乗車時は200kg) |
| 車両重量 | 4シーター 1,130kg/2シーター 1,100kg |
| 最小回転半径 | 4.3m |
数字は定められた試験条件での値で、気象や渋滞、エアコンの使用、積載量で変わる、と諸元表にある。冷暖房や荷物の重さによっては、実際の走行距離は180kmを下回りうる。

充電は普通充電が標準。急速充電は「機能付」のグレードだけ
公式サイトによると、普通充電は標準装備の充電ケーブルを使い、EV充電用のAC200Vコンセントにつなぐ方式だ。主要装備には「充電ケーブル(AC200V・15A・7.5m)レス」(-16,500円)というオプションもある。急速充電はCHAdeMO規格で、「急速充電機能付」「急速充電器付」のグレードで使える。
充電時間の目安は、公式の取扱説明書(2026年1月29日版。9月17日の改良より前の版)の「充電」の表に載っている。普通充電(AC200V、車載の普通充電ケーブルを使用)は約7.5時間、急速充電(出力50kW仕様の急速充電器の場合)は約42分(満充電の80%まで)だ。V2H充電は、V2H機器や家庭の電力事情によって変わる。
この時間は、駆動用バッテリーの残量計が1目盛(残量警告灯と交互点滅)になってからの充電時間だ。バッテリーの状態や使用環境、急速充電器の仕様によって変わり、高温時・低温時や充電中のエアコン使用では長くなることがある、と取扱説明書にある。AC100Vの普通充電ケーブルでも充電できるが、AC200Vより時間は長くなる。ただし、この車専用の100V充電ケーブルは販売されていない。
補助金は自家用で574,000円。事業用は最大848,000円
リリースによると、ミニキャブ EVは国の補助金制度の対象車だ。自家用で買う場合は令和7年度補正予算「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」(経済産業省)の対象で、574,000円の補助金を受けられる。
事業用として導入する場合は、令和7年度補正予算「脱炭素成長型経済構造移行推進対策費補助金」(環境省)の対象で、公式サイトには「最大848,000円」とある(4シーター・急速充電機能付の場合)。地域によっては、自治体独自の補助制度も使える、とも書かれている。
補助金の申請方法・受付期間・予算の残りは、三菱自動車のページには書かれていない。詳しくは各執行団体のWebサイトを確かめるよう、公式サイトが案内している。
誤解しやすい点: 「全グレードに通信機が付く」わけではない
「コネクテッド機能が加わった」と聞くと、全車に通信機が付いたように読める。リリースによると、TCUはメーカーオプションだ。リリースによると、サービスの対象はTCUを付けた車両だ。付けない車は対象にならない。
軽自動車の維持費は、維持費・燃費のカテゴリの記事も参考になる。
三菱のほかの車は、新型デリカD:5のリコールの記事やアウトランダーPHEVは何年乗れるかの記事で、電気で走る車の補助金の仕組みはテスラの価格一覧(CEV補助金の額つき)でも扱っている。

