アウトランダーPHEVは何年乗れる?駆動用バッテリーの保証と公式の見込み

アウトランダーPHEVが「何年乗れるか」を、三菱自動車は年数で示していない。公式に示されているのは、駆動用バッテリーがどれだけ持つかの予測値と、保証の条件だ。

三菱自動車のよくあるお問い合わせによると、駆動用バッテリーの残存容量は、決められた使い方で10年10万km走ったとき新車時の65%程度と予測されている。ただし三菱は、この値を保証するものではないと書いている。保証として約束しているのは、初度登録後8年以内・走行16万km以内に容量が一定の割合(22型以降は66%)を下回ったら無償で修理・交換する、という内容だ。

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この記事では、型式ごとの保証条件の違い、容量が落ちたときに走りがどうなるか、バッテリーを長持ちさせるために三菱が勧めている充電の仕方を、公式の資料だけで整理する。

目次

三菱の予測は「10年10万kmで新車時の65%程度」

三菱自動車のFAQ「駆動用バッテリーの寿命はどのくらいですか。[PHEV]」は、寿命を年数ではなく残存容量で答えている。予測の前提になっている「通常使用」は、次の3つの条件だ。

条件 三菱の前提
年間平均気温 16℃
年間走行距離 10,000km/年
普通充電 1回/日

同じFAQは、容量の下がり方は使い方や保管の状況、充電の仕方で変わるとも書いている。寒い地域や暑い地域で使う車、年に2万km走る車、急速充電が多い車は、この前提から外れる。65%という数字は、あくまで三菱が示した一つの条件での見込みだ。

容量が減っても走れなくなるわけではない

ここは誤解されやすい。駆動用バッテリーの容量が減ると、一度の充電でモーターだけで走れる距離は短くなる。ただし三菱は、容量が落ちてもハイブリッド走行や動力性能には影響がないとしている。

容量低下が起きた場合でも、発電機構ならびにエンジンを搭載しておりますのでハイブリッド走行や 動力性能には影響がなく(三菱自動車 よくあるお問い合わせ No.1128)

アウトランダーPHEVは、バッテリーの電気だけで走る「EV走行」のほかに、エンジンで発電してモーターで走る「シリーズ走行」、エンジンで走ってモーターが助ける「パラレル走行」を自動で切り替える。三菱の車種サイトはこれを「PHEVシステム」と説明している。バッテリー容量の減少は、主にEV走行で走れる距離に効いてくる。

また三菱は、容量の低下はリチウムイオン電池がもともと持つ特性で、故障ではないと明記している。この区別は、次の保証の話につながる。

自宅の駐車場で普通充電ケーブルをつないだSUV
イメージ画像です。
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駆動用バッテリーには2種類の保証がある

三菱自動車は、アウトランダーPHEVの駆動用バッテリーに「容量保証」と「特別保証」の2つを付けている。容量保証は、故障ではない自然な容量低下が対象。特別保証は、製造上の不具合などが原因の故障が対象だ。どの型式にも両方があり、どちらを使うかは容量低下の原因(故障かどうか)で決まる。型式(車台番号の頭)で変わるのは、容量の基準(66%か70%か)と特別保証の期間だ。

状態に不安がある車ほど、1社だけの査定で決めないほうが無難です。事故車も含めて全国の専門店を比べられる専門店比較で高価買取【CTN一括車査定】のようなサービスで、値段の差を確かめてみてください。

モデル 車台番号 容量保証 特別保証(故障)
22型(2021年12月16日発売)以降 GN0W-******* 初度登録後8年以内(走行16万km以内)に容量の66%を下回った場合 初度登録後8年以内(走行16万km以内)
17型(2017年2月9日発売)〜21型 GG2W-04*****、GG3W-******* 初度登録後8年以内(走行16万km以内)に容量の70%を下回った場合 初度登録後8年以内(走行16万km以内)
上記より以前 GG2W-00*****〜GG2W-03***** 初度登録後8年以内(走行16万km以内)に容量の70%を下回った場合 初度登録後5年以内(走行10万km以内)

いずれも、条件にあてはまれば無償で修理・交換される。初度登録は、新車を登録(届出)した日を指す。

車全体のメーカー保証は、これとは別だ。三菱のメーカー保証は、一般保証部品が3年または6万km走行の早いほうまで、エンジンやブレーキなど重要な機能を果たす特別保証部品が5年または10万km走行の早いほうまでとなっている。駆動用バッテリーの容量保証(8年・16万km)は、どの型式でもこれより長い。

注意したいのは、三菱の「最長10年10万km特別保証延長」には駆動用バッテリーが入らないことだ。保証延長を付けても、駆動用バッテリーの保証期間は上の表のままになる。

保証継承していない中古車は点検を受けないと保証が使えない

中古のアウトランダーPHEVで保証を受けるには、手続きが要る。保証書に名前などが書かれていない中古車の場合、三菱の販売会社のサービス工場で次の3つを済ませ、メンテナンスノートに記録を残す必要がある。

  • 12ヶ月点検相当の点検(有料)
  • 駆動用バッテリーの容量測定(有料)
  • 駆動用バッテリーに故障がないことの確認(有料。22型以降と17型〜21型)

17型〜21型と、それ以前のモデルのページには、容量測定は2日間車を預かって行うので事前に予約するよう書かれている。メンテナンスノートが車にない場合は、購入して記録を残す必要がある。

保証を断られることがある条件も示されている。取扱説明書どおりの扱い、法定点検、三菱指定の点検整備と部品・油脂類の交換、点検記録の携行が守られていない場合だ。さらに、駆動用バッテリーを販売会社のサービス工場や三菱が認めた工場以外で分解・修理・改造した場合と、車を日本国外へ持ち出した場合は、保証が失効する。

三菱が勧める長持ちさせる充電の仕方は3つ

三菱のFAQ「駆動用バッテリーを長持ちさせる充電のコツ」(アウトランダーPHEV GN0W)は、容量を維持するために次の3つを勧めている。

  • 急速充電のみを繰り返す場合は、2週間に1回程度、普通充電で満充電にする
  • 満充電付近で充電を繰り返さない
  • できるだけ普通充電で充電する

22型以降(GN0W)には、走行中・急速充電中・普通充電中に働く駆動用バッテリーの冷却システムが付いている。三菱はこれで電池の温度上昇を抑え、EV航続距離が落ちていくのを遅らせられるとしている。同じくGN0Wについて、三菱は充電しながらエアコンを使ってもバッテリーの寿命などに「影響はありません」と答えている。

バッテリー残量を表示するメーターのイメージ
イメージ画像です。

バッテリー容量は年式で大きく違う

中古車を選ぶときは、もともとのバッテリーの大きさも年式で違う点に気をつけたい。三菱のFAQに載っている駆動用バッテリーの総電力量は次のとおりだ。

車両型式 年式 総電力量
GN0W 2024年10月マイナーチェンジ以降 22.7kWh
GN0W 2021年12月〜2024年10月 20 kWh
GG3W 2018年8月〜2021年12月 13.8 kWh
GG2W 2013年1月〜2018年8月 12.0 kWh

同じ「残り70%」でも、元が12.0kWhの車と22.7kWhの車では、残っている電力量が違う。いまの容量を知りたいときは、販売会社で容量測定(有料)を受けるのが確実だ。

長く乗るならリコールの実施も確かめる

アウトランダーPHEVにも、国土交通省に届け出られたリコールがある。最近では、三菱自動車が2026年8月20日にリコール(届出番号5865)を届け出ている。対象は令和6年(2024年)10月14日〜令和8年(2026年)2月16日に製作された5LA-GN0Wの13,226台で、スマートフォン連携ナビゲーションシステムの制御プログラムが不適切なため、起動しなかったり画面が黒くなったりして、後退時などのカメラ映像が表示されないおそれがある、という内容だ。改善措置は制御プログラムの書き換えで、リコール開始日は2026年8月21日。

中古で買った車や長く乗っている車は、こうした改修が済んでいるかを車台番号で確かめておきたい。三菱自動車の「リコール等対象車両検索」で、車検証に書かれた車台番号を入れると調べられる。対象車両の製作期間は、購入した時期とは異なる。

ほかの車のトラブル対策は、トラブル・弱点対策のカテゴリにまとめている。

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