ダイハツ工業は2026年3月26日、ムーヴ、ウェイク、ハイゼットキャディー、そしてそれぞれのOEM車であるスバル「ステラ」(ムーヴ系)とトヨタ「ピクシス メガ」(ウェイク系)の計5車種、405,963台のリコールを国土交通大臣に届け出た。届出番号は5791、リコールの開始日は3月27日だ。
原因は、カウルルーバー(エンジンルームの後ろ側にあるカバー)の止水シール部分から、雨水がブレーキブースタに落ちて、ブレーキブースタが錆びることだ。錆が進むと、最悪の場合、ブレーキブースタに穴があき、ブレーキペダルの操作力が増して、制動距離が長くなるおそれがある。不具合は77件で、事故はない。
この記事は、国土交通省の報道発表資料とリコール届出一覧表、改善箇所説明図だけをもとにまとめている。対象かどうかは、車台番号で決まる。車検証を手元に用意して読んでほしい。
対象は5車種・24型式の計405,963台
| 車名 | 通称名 | 型式 | 台数 |
|---|---|---|---|
| ダイハツ | ムーヴ | LA150S(2018年9〜12月製作) | 13,567台 |
| LA150S(2019年1月〜2023年6月製作) | 159,065台 | ||
| LA160S(2018年9〜12月製作) | 3,152台 | ||
| LA160S(2019年1月〜2023年6月製作) | 35,825台 | ||
| ダイハツ | ウェイク | LA700S(2016年9月〜2022年8月製作) | 108,530台 |
| LA710S(2016年9月〜2022年8月製作) | 19,868台 | ||
| ダイハツ | ハイゼット キャディー | LA700V(2016年9月〜2021年3月製作) | 3,179台 |
| LA710V(2016年9月〜2021年3月製作) | 1,067台 | ||
| スバル | ステラ | LA150F(2018年9〜12月製作) | 1,089台 |
| LA150F(2019年1月〜2023年6月製作) | 11,761台 | ||
| LA160F(2018年9〜12月製作) | 585台 | ||
| LA160F(2019年1月〜2023年6月製作) | 5,737台 | ||
| トヨタ | ピクシス メガ | LA700A(2016年9月〜2022年8月製作) | 35,720台 |
| LA710A(2016年9月〜2022年8月製作) | 6,818台 |
型式は、届出一覧表に載っているものの代表的な表記だ。実際には「DBA-」「3BA-」「5BA-」などの頭文字が付いた型式が複数あり、24型式がまとめて対象になっている。車種ごとの合計は、ムーヴが211,609台、ウェイクが128,398台、ハイゼットキャディーが4,246台、ステラが19,172台、ピクシス メガが42,538台だ。

錆が進むと、ブレーキペダルが重くなり、止まる距離が長くなるおそれがある
国土交通省の資料に載っている、不具合の状況は次のとおり。
カウルルーバーにおいて、車体への組付け指示が不十分であったため、止水シール部から雨水等がブレーキブースタに滴下するものがある。そのため、ブレーキブースタに錆が発生し、そのままの状態で使用を続けると、錆が早期に進行して、最悪の場合、ブレーキブースタに穴があき、ブレーキペダルの操作力が増大し、制動距離が長くなるおそれがある。
ブレーキブースタは、ブレーキペダルを踏む力を助ける部品だ。ここに穴があくと、ペダルの操作力が増える。国土交通省の資料には、「ブレーキペダルの操作力が増大し、制動距離が長くなるおそれ」と書かれている。無視せずに点検を受ける必要がある。
不具合件数は77件で、事故の有無は「なし」。発見の動機は「市場からの情報」とされている。
直し方は、ブレーキブースタの錆の状態で3つに分かれる
| ブレーキブースタの状態 | 改善措置 |
|---|---|
| 錆がない、または軽微 | 防錆剤を塗布する |
| 下端部に雨水による広範囲の錆がある | 防錆剤を塗布し、カウルルーバーの止水シールを対策品に交換する |
| 錆が進行して剥がれがある、または穴があいている | ブレーキブースタを新品に交換し、カウルルーバーの止水シールも対策品に交換する |
対象の全車両は、まずブレーキブースタを点検される。そのうえで、状態に応じて、上のいずれかの措置が行われる。費用は、資料に書かれていないが、リコールの改善措置は法令に基づく無料の作業だ。
改善が済んだ車両には、車台番号の打刻(ハイフンの下側)に、黄色のペイントが塗られる。
「リコール」は車を止める命令ではなく、点検と修理を受ける案内だ
リコールの届出は、国が定める保安基準に適合しない、またはそのおそれがある状態を、メーカーが無料で直すための制度だ。今回、乗ってはいけないという指示は、国土交通省の資料には書かれていない。ただし、ブレーキに関わる部品の錆なので、早めに点検を受けておきたい。
また、届出一覧表には「対象車の車台番号の範囲には、対象とならない車両も含まれている場合があります」という注意書きがある。自分の車が本当に対象かどうかは、販売店かメーカーに車台番号で確かめる必要がある。
対象かどうかは、販売店かお客様コールセンターで車台番号を伝えて確かめる
- 車検証で、車名・型式・車台番号を確認する
- ダイハツ車は、ダイハツ販売店か、お客様コールセンター(0800-500-0182)に問い合わせる
- ステラはスバルの販売店、ピクシス メガはトヨタの販売店に、車台番号を伝えて確認する
- メーカー各社のウェブサイトの検索画面でも、対象かどうかを調べられる(一部のメーカーを除く)
- ダイレクトメール等が届いたら、案内に従って予約する
ダイハツは、使用者にダイレクトメール等で通知し、自動車特定整備事業者には日整連発行の機関誌で周知し、各社のウェブサイトにも掲載する、としている。中古で買った車は、前の持ち主に通知が届いている可能性があるので、自分で確かめたほうがよい。
別のムーヴのリコール(届出番号5874)とは別の件だ
ムーヴとステラは、2026年9月10日にもシートカバーとアームレストのリコール(届出番号5874、10,091台)が届け出られている。こちらは、2025年5月から8月に作られた別の型式が対象で、内容も内装材の燃え広がりだ。今回の5791とは、対象の車も、直す部品も違う。
情報源
- 国土交通省 報道発表資料「リコールの届出について(ダイハツ ムーヴ 他)」(令和8年3月26日)
- 同 リコール届出一覧表(PDF)
- 同 改善箇所説明図(PDF)
- 画像: TTTNIS/Wikimedia Commons/CC0

