セレナe-POWERの燃費は悪い?WLTC値と取扱説明書が挙げる悪化の原因

セレナe-POWERの燃費は悪い?WLTC値と取扱説明書が挙げる悪化の原因

現行(6代目・C28)のセレナ e-POWERのWLTCモード燃費は、いちばん良いe-POWER X(2WD)で20.3km/Lだ。日産の諸元表では、XとXVパッケージ/ハイウェイスターVの2WDは、市街地・郊外・高速道路の3つのモードのうち高速道路モードの値がいちばん低い(LUXIONは市街地モードが最低)。

「燃費が悪い」と感じるかどうかは、乗り方や比べる相手で変わる。この記事では、日産の諸元表と取扱説明書で確かめられる数字と使い方だけで、その疑問に答える。燃料消費率について、日産は次のように断っている。

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燃料消費率は定められた試験条件での値です。お客さまの使用環境(気象、渋滞等)や運転方法(急発進、エアコン使用等)、整備状況(タイヤの空気圧等)に応じて値は異なります。

目次

現行セレナe-POWERのWLTCモード燃費はグレードで16.0〜20.3km/L

現行セレナは2025年12月18日にマイナーチェンジが発表された。日産の公式サイトの諸元表(2026年10月3日確認)で、e-POWERの燃費はグレードと駆動方式によって次のように分かれる。

グレード WLTCモード 市街地 郊外 高速道路
e-POWER X(2WD) 20.3km/L 21.3km/L 21.3km/L 19.3km/L
e-POWER XVパッケージ/ハイウェイスターV(2WD) 19.0km/L 18.8km/L 20.5km/L 18.2km/L
e-POWER LUXION(2WD) 18.1km/L 16.9km/L 19.7km/L 17.7km/L
e-4ORCE X(4WD) 16.8km/L 17.5km/L 17.5km/L 16.1km/L
e-4ORCE XVパッケージ(4WD) 16.0km/L 15.2km/L 17.5km/L 15.5km/L
e-4ORCE ハイウェイスターV(4WD) 16.0km/L 16.0km/L 16.7km/L 15.6km/L

同じe-POWERでも、Xの2WDとe-4ORCE(4WD)のXVパッケージ・ハイウェイスターVでは4.3km/Lの差がある。車両重量は、e-POWER X(2WD)の1790kgに対して、e-4ORCE ハイウェイスターVは1930kgだ。どのグレードの数字と比べているかを、まず確かめたい。

e-POWER Xなど2WDの多くは高速道路モードがいちばん低く、ガソリン車とは逆になる

2WDの4グレードのうち、X・XVパッケージ・ハイウェイスターVの3つは、高速道路モードが3つのモードでいちばん低い。LUXIONだけは市街地モードの16.9km/Lがいちばん低く、高速道路モードは17.7km/Lだ。e-POWER Xでは市街地モード21.3km/Lに対し、高速道路モードは19.3km/Lだ。

ガソリン車(2.0L、X・XVパッケージ・ハイウェイスターVの2WD)は逆で、市街地モード9.5km/L、郊外モード13.6km/L、高速道路モード14.9km/Lと、高速道路がいちばん良い。

e-POWERは、減速するときに走行用モーターで発電してリチウムイオンバッテリーを充電する(回生ブレーキ)。取扱説明書は、これで「エネルギーを無駄にせず燃費を良くすることができます」と説明している。日産の車種ページも、ごくわずかな減速でも回生エネルギーがとれるよう設定したと書く。

一方で取扱説明書は、燃費が大幅に悪化する原因の一つに「高速道路など、高速で走行を続けている」ことを挙げ、速度の出しすぎは電力を無駄に消費するとも書いている。諸元の上でも、ガソリン車との差がいちばん小さいのは高速道路モードだ(次の見出しの表)。

夕方の高架の高速道路を流れる車のライトの光跡
イメージ画像です。
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ガソリン車との差はWLTCモードで7.3km/L、市街地モードでは11.8km/L

同じXグレードの2WDで、e-POWERとガソリン車を並べた。

項目 e-POWER X(2WD) ガソリン車 X(2WD)
エンジン HR14DDe(1.433L、発電用) MR20DD(1.997L)
WLTCモード 20.3km/L 13.0km/L
市街地モード 21.3km/L 9.5km/L
郊外モード 21.3km/L 13.6km/L
高速道路モード 19.3km/L 14.9km/L
燃料タンク 52L 54L
価格(発表時、消費税込み) 3,293,400円 2,785,200円

差はWLTCモードで7.3km/L、市街地モードで11.8km/L、高速道路モードで4.4km/Lだ。高速道路でもe-POWERの数字は上だが、差は市街地よりずっと小さい。価格は2025年12月18日の発表時の全国希望小売価格で、差は508,200円だった。使用燃料はどちらも無鉛レギュラーガソリンだ。

先代C27のe-POWERは2020年8月版の諸元表でWLTCモード18.0km/L

中古で先代(C27)のe-POWERを見ている人は、年式で数字が違う点に気をつけたい。日産がC27のe-POWERを発売したのは2018年3月1日で、発表時の燃費はJC08モードの26.2km/Lだけが示されていた。

日産の公式サイトに残る2020年8月版の主要諸元では、C27のe-POWER(1.2LのHR12DE、2WD・7人乗り)は次の値だ。

C27 e-POWER(2020年8月版) WLTCモード 市街地 郊外 高速道路
X・XV・G・ハイウェイスター・ハイウェイスターV 18.0km/L 17.5km/L 18.6km/L 17.8km/L
ハイウェイスターG 17.2km/L 16.8km/L 17.7km/L 17.1km/L

XV・G・ハイウェイスターVは、195/60R16タイヤと16インチアルミホイールを付けるとハイウェイスターGと同じ17.2km/Lになる。同じ諸元表のJC08モードは、X・XV・G・ハイウェイスターが26.0km/L(XV・Gはオプションで車両重量が1770kg以上になると23.4km/L)、ハイウェイスターV・ハイウェイスターGは23.4km/Lで、発売時の26.2km/Lとは違う。年式とタイヤサイズを確かめてから数字を比べたい。

取扱説明書は燃費が大きく落ちる原因に上り坂・高速・急な操作を挙げている

取扱説明書の「燃費を良くするためのポイント」は、燃費は道路状況、天候や気温、乗員数などに大きく左右されると書いたうえで、大幅に悪化する原因として次の3つを挙げる。

  • 走行するルートの地形に上り坂が多い
  • 高速道路など、高速で走行を続けている
  • 頻繁に急発進、急加速、急ブレーキをしている

同じページにある、燃費を良くするための使い方は次のとおりだ。

  • 適切なタイヤ空気圧にする(空気圧が下がっていると、より多くの電力を消費する)
  • 不要な荷物を積んだままにしない
  • なめらかに発進・加速し、車間距離に余裕を持って必要以上の減速を避ける
  • 暖房を使うときは設定温度を24℃以下に下げる。必要のないときは後席用エアコンをOFFにする
  • 寒いときはエアコンの代わりにヒーターシートやステアリングヒーター(装備車)を使う
  • デフロスターは必要以上に使わない
  • ドライブモードをECOにする(ECO、STANDARD、SPORT/SNOWの順に燃費が良い)

タイヤ空気圧は、指定の値が運転席ドアの開口部に表示されている。取扱説明書は、月に一度はタイヤエアゲージで、走行前のタイヤが冷えているときに点検するよう求めている。走行直後は空気圧が約1割上がることがある。

冬の暖房とチャージモードはエンジンを動かす

e-POWERの走行はモーターだが、取扱説明書はエンジンが作動する場面として、リチウムイオンバッテリーの残量が少ないとき、アクセルを強く踏み込んだときのほか、次のような場合を挙げている。

  • 暖房をONにしたとき(熱源となるエンジン水温を上げるため)
  • エンジンが冷えているとき(暖機のため)
  • フロントガラスのデフロスタースイッチをONにしたとき
  • チャージモード中

誤解されやすいのがチャージモードだ。EVモードスイッチを押し続けて、エンジンで強制的にバッテリーを充電するモードで、取扱説明書は「エンジンで発電するため燃費が悪化します」と書いている。マナーモード(エンジンの始動を極力抑え、バッテリーの電力だけで静かに走るモード)で走れる距離を長くしたいときに、前もって充電するための機能で、燃費を良くする機能ではない。

なお、外部からの充電は要らない。取扱説明書は、長く乗らないとバッテリーが少しずつ放電するため、少なくとも2〜3か月に一度は約30分運転するよう求めている。エンジンオイルの指定は日産純正SPストロングセーブ・X 0W-16(API SP、SAE 0W-16)で、交換時期は別冊のメンテナンスノートで確かめる。

自分の燃費はメーターの平均燃費とエコペダルガイドで確かめる

セレナe-POWERのメーターには、平均燃費や2分ごとの平均燃費の表示がある(表示のしかたはメーターのタイプで違う)。エコペダルガイドを表示すると、アクセルの踏み加減がエコ運転の範囲に入っているかを確かめられる。取扱説明書は、この範囲に入るよう調整すると燃費向上につながると書く。

まず、自分の車のグレード・駆動方式・年式の値を上の表で確かめ、ふだんの道が市街地・郊外・高速道路のどれに近いかを考えたい。高速道路を長く走ることが多いなら、2WDでも高速道路モードの値(e-POWER Xで19.3km/L)が目安になる。

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