ミニクロスオーバーを「やめとけ」と言い切れる公的な数字はない。BMW(MINIの輸入元のビー・エム・ダブリュー株式会社)も国土交通省も、車種別の故障率を公表していないからだ。確かめられるのは、国に届け出られたリコールと改善対策の記録になる。
国土交通省のリコール検索で、ミニクロスオーバーの3世代の型式を調べると、対象に入る届出は19件あった(2026年9月28日確認)。初代が7件、2代目が10件、3代目が3件で、1件は初代と2代目の両方が対象だ。内容を見ると、EGRとタイミングチェーンの届出が重なるのは初代のディーゼル車で、2代目のディーゼル車はEGRの届出が3件ある。
なお、3代目からは日本でも「MINI Countryman(カントリーマン)」の名前で売られている。以下、世代ごとに内容を確かめる。
3世代で型式が違う
ビー・エム・ダブリュー株式会社によると、MINI Crossoverは2011年に誕生し、2017年に2代目になった。3代目は2023年11月21日に予約注文の受付が始まり、従来の呼称MINI Crossoverから新型MINI Countrymanとして生まれ変わった。国交省の届出に出てくる型式は次のとおりだ。
| 世代 | 届出に出てくる型式(通称) |
|---|---|
| 初代(2011年〜) | CBA-ZA16(One・Cooper)、DBA-ZC16・CBA-ZC16A・DBA-ZC16A(Cooper S)、LDA-XD20F・LDA-XD20A(Cooper D)、LDA-ZB20(Cooper SD) |
| 2代目(2017年〜) | DBA-YS15(One・Cooper)、DBA-YS20(JCW)、LDA-YT20(Cooper D・SD)、CLA-YU15・3LA-YU15T・3LA-22BS15(Cooper S E=PHEV) |
| 3代目 カントリーマン | 3BA-12GA15(C)、3DA-62GA20(D)、3BA-22GA20(S ALL4)、7BA-32GA20(JCW)、ZAA-42GA33(E)、ZAA-52GA67(SE ALL4) |
自分の車の型式は車検証で分かる。
届出は19件で、台数は届出全体の数字
一覧にする。台数は、ほかのMINIやBMWの車種を含めた届出全体の数で、ミニクロスオーバーだけの台数ではない。番号は国交省の検索で表示される外国メーカー車の届出番号で、改善対策はリコールと別の番号になっている。
| 届出日 | 番号 | 内容 | 対象の世代 | 届出全体の台数 |
|---|---|---|---|---|
| 2012年1月24日 | リコール 外-1814 | 電動補助クーラントポンプの回路(火災のおそれ) | 初代 Cooper S | 15,933 |
| 2012年4月23日 | リコール 外-1837 | 同ポンプのハウジングの亀裂 | 初代 Cooper S | 223 |
| 2015年10月21日 | 改善対策 外-0480 | 停止直前のエンスト(制御プログラム) | 初代 One・Cooper | 34,522 |
| 2017年9月20日 | リコール 外-2537 | 取扱説明書の記載漏れ(チャイルドシート適合表) | 2代目 | 17,643 |
| 2018年7月12日 | リコール 外-2692 | 電動補助クーラントポンプの回路 | 初代 Cooper S | 6,921 |
| 2018年11月27日 | リコール 外-2754 | EGRモジュールの冷却水漏れ(火災のおそれ) | 初代・2代目のディーゼル | 53,318 |
| 2019年5月21日 | リコール 外-2852 | ヘッドライト点灯で車幅灯が消える | 2代目 JCW | 306 |
| 2019年9月25日 | リコール 外-2928 | 高圧ポンプの保護プレート未装着 | 2代目 One・Cooper | 648 |
| 2019年11月27日 | リコール 外-2963 | タイロッドエンドのワッシャー未装着 | 2代目 Cooper D | 2 |
| 2020年11月24日 | リコール 外-3133 | 高電圧バッテリーへの異物混入 | 2代目 PHEV | 16 |
| 2020年12月18日 | リコール 外-3144 | オイルフィラーキャップの取り付け | 2代目 PHEV | 7 |
| 2021年1月18日 | リコール 外-3157 | タイミングチェーンの強度不足 | 初代のディーゼル | 4,945 |
| 2021年6月15日 | リコール 外-3237 | タイミングチェーンの表面処理漏れ | 初代のディーゼル | 121 |
| 2021年10月18日 | リコール 外-3302 | 高電圧バッテリーへの異物混入 | 2代目 PHEV | 199 |
| 2023年3月7日 | リコール 外-3573 | EGRモジュールの冷却水漏れ(早期検知のプログラム) | 2代目のディーゼル | 110,427 |
| 2023年7月26日 | リコール 外-3622 | EGRモジュールの冷却水漏れ(対策品に交換) | 2代目のディーゼル | 169,782 |
| 2025年2月7日 | リコール 外-3860 | 統合ブレーキユニットのモーターセンサー | 3代目 | 30,503 |
| 2025年4月9日 | リコール 外-3929 | 統合ブレーキユニットの溶接 | 3代目 C・D・E・SE ALL4 | 30 |
| 2025年4月24日 | リコール 外-3983 | 解錠時の灯火が3秒を超える | 3代目 | 3,858 |
届出の件数や台数は、実際に壊れた台数ではない。国交省はリコールを、自動車メーカーが自らの判断で届け出て無料で回収・修理する制度と説明している。
旧型ディーゼルはEGRの届出が重なる(初代はタイミングチェーンも)
ディーゼル車(Cooper D・SD)が対象のEGR(排気ガス再循環装置)のリコールは3件ある。初代が入るのは外-2754だけで、2代目は3件すべてが対象だ。外-2754は、EGRモジュールの冷却水が漏れ、煤と混ざった堆積物でインテークマニホールドが溶損すると、最悪の場合に火災に至るおそれがあるという内容だ。
2023年の外-3622では、EGRモジュールを対策品に替え、インテークマニホールドも確認する。MINIは、外-2754の作業で付けた一世代前のEGRクーラーも耐久性が品質基準に満たない可能性があるとして、改めて交換するとしている。対策部品はすでに入荷しており、MINIは正規ディーラーでの作業を呼びかけている。作業前に、冷却水レベルの低下や警告灯の点灯、エンジン出力の低下、煙・臭いなどに気づいたら、すぐ正規ディーラーに連絡するよう求めている。
初代のディーゼル車には、タイミングチェーンのリコールも2件ある(外-3157・外-3237)。走行中にエンジンが止まり、再始動できなくなるおそれがあるとして、チェーンを対策品・良品に替える。
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高圧ポンプのリコールは保護プレートの未装着
「高圧ポンプが壊れやすい」という話と結びつけられやすいのが外-2928だ。ただし中身は、部品管理が不適切で高圧ポンプの保護プレートが付いていない車がある、というもの。衝突事故で高圧ポンプが傷むと燃料が漏れ、最悪の場合、車両火災に至るおそれがあるため、プレートを装着する。対象は2代目のOne・Cooper(DBA-YS15)で、届出全体で648台だ。ポンプそのものの故障の届出ではない。
3代目カントリーマンはブレーキの届出が2件
3代目では、統合ブレーキユニットの届出が2件ある。外-3860は、モーターセンサーの接触不良でブレーキ警告灯が点き、そのまま走るとフォールバックモードになってブレーキに通常より強い踏力が必要になり、次にエンジンが始動できなくなるおそれがある、という内容だ。全車でモニタリング機能の有無を確かめ、無ければプログラムを更新する。フォールバックモードにつながるリスクが検知されたときは、統合ブレーキユニットを良品に交換する。MINIは専用ページでよくある質問に答えている。
外-3929は、サーボモーターの溶接が不適切なものがある、という30台の届出で、ユニットを良品に交換する。
現行カントリーマンの価格は480万円から
MINIの価格表(メーカー希望小売価格・税込)では、MINI COUNTRYMAN(ガソリン・ディーゼル)は¥4,800,000〜、電気自動車のALL-ELECTRIC MINI COUNTRYMANは¥6,040,000〜だ。
購入だけでなく、月々定額で新車に乗るカーリースという選び方もあります。月々定額のカーリース【オリコで乗ーる(おりこでのーる)】
は、国産車・輸入車の約300車種から選べます。
| モデル | メーカー希望小売価格(税込) |
|---|---|
| COUNTRYMAN C SELECT | ¥4,800,000〜 |
| COUNTRYMAN C | ¥5,180,000〜 |
| COUNTRYMAN D | ¥5,260,000〜 |
| COUNTRYMAN S ALL4 SELECT | ¥5,530,000〜 |
| COUNTRYMAN S ALL4 | ¥5,920,000〜 |
| COUNTRYMAN D SHADOW EDITION | ¥6,160,000〜 |
| JOHN COOPER WORKS COUNTRYMAN ALL4 | ¥6,830,000〜 |
| COUNTRYMAN E | ¥6,040,000〜 |
| COUNTRYMAN SE ALL4 | ¥6,780,000〜 |
2026年3月3日からは、C SELECT・C・S ALL4に48Vマイルド・ハイブリッド・システムが搭載された。3代目の大きさは、発表時の資料でCが全長4,445mm・全幅1,845mm・全高1,660mmだ。駐車場の寸法制限と照らし合わせておきたい。
新車保証は3年、MINI WARRANTY+で2年または1年延長
MINIの新車保証は3年間で、新車延長保証プログラム「MINI WARRANTY+」に入ると、登録4年目以降も2年間または1年間、保証対象箇所の不具合を走行距離にかかわらず無償で修理する。料金は2年延長プランが¥129,800(税込)、1年延長プランが¥55,900(税込)で、加入は新車登録後3ヶ月までだ(2025年1月1日現在)。
2年延長プランの契約者は、申込時の走行距離が80,000km以内なら、満了時に再延長プラン(保証期間20ヶ月)にも入れる。料金は申込時の走行距離が50,000km以内で¥81,200(税込)、80,000km以内で¥109,800(税込)で、保証期間内でも積算走行距離100,000kmで保証が終わる(2025年1月1日現在)。
リコールと改善対策の修理は、保証期間とは別に無料で受けられる。

自分の車が対象かは車台番号で確かめる
MINIのリコール情報ページの「車台番号検索」で、対象かどうかを確かめられる。入庫の予約は最寄りのMINI正規ディーラーへ、一般的な問い合わせはMINIカスタマー・インタラクション・センターのリコール専用ダイアル(0120-971-313、平日9:00-19:00/土日祝9:00-18:00)が案内されている。
中古で初代・2代目を選ぶなら、特にディーゼル車はEGRやタイミングチェーンの作業が済んでいるかを、販売店と記録で確かめておきたい。中古のMINIについてはミニクーパーの中古の記事も参考になる。ほかの車の弱点はトラブル・弱点対策にまとめている。
情報源
- 国土交通省 自動車不具合情報ホットライン「リコール情報検索」(車名・型式で検索、2026年9月28日)
- 国土交通省「自動車のリコール制度について」
- MINI Japan「リコール情報」
- MINI Japan「EGRクーラーに関するご案内とお詫び」(リコール外-3622)
- MINI Japan「リコール 外-3860 統合ブレーキシステム モニタリング機能追加」(2025年2月7日届出)
- MINI Japan「価格表 / お支払例」(2026年9月28日確認)
- MINI Japan「MINI WARRANTY+.(新車延長保証プログラム)」
- ビー・エム・ダブリュー株式会社 プレスリリース「新型MINI Countryman誕生」2023年11月21日
- ビー・エム・ダブリュー株式会社 プレスリリース「MINI COUNTRYMAN C SELECT、MINI COUNTRYMAN C、MINI COUNTRYMAN S ALL4に48Vマイルド・ハイブリッド・システムを搭載」2026年3月3日

