ボルボXC60は壊れやすい?国交省のリコール34件を型式別に整理

ボルボXC60が壊れやすいかどうかを、数字で断定できる公的な資料はない。国土交通省もボルボ・カー・ジャパンも、車種別の故障率は公表していない。確かめられるのは、国に届け出られたリコールと改善対策の記録だ。

国土交通省の「自動車不具合情報ホットライン」で車名「ボルボ」でリコール等の届出を検索すると213件が出る。このうち通称名に「XC60」が入っているのは34件で、内訳はリコール32件、改善対策2件だった(2026年9月27日に確認)。最初は2010年1月13日の外-1639、最新は2025年7月4日の外-4040だ。

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この記事では34件を型式の系統ごとに並べ、エアサス・エアコン・ディーゼルの届出の有無を確かめた。自分のXC60が対象かは、車台番号で調べられる。

目次

リコールの件数は「壊れやすさ」の数字ではない

まず誤解を正しておく。届出の件数は、故障の起きやすさを表す数字ではない。届出一覧表に書かれているのは不具合の内容と対象になる車台番号の範囲で、実際に何台が壊れたかではない。国内で報告された不具合の数は「不具合件数」という別の欄にあり、0件の届出もある。

34件のうち、1件の届出がXC60以外の車種をまとめて扱っているものも多い。たとえば外-3182(前席シートベルト)の対象は全体で57,545台だが、そのうちXC60は11,302台だ。届出全体の台数をそのままXC60の台数として読むと、数字が大きく見えてしまう。

下の表では、ボルボ・カー・ジャパンが公開している各届出の「リコール届出一覧表」から、XC60の行だけを足した台数を書いた。カッコ内は届出全体の台数だ。

車検証の車台番号欄を指さしている手元
イメージ画像です。

型式に「DB」「DD」が入るXC60には18件の届出がある

車台番号が「YV1DZ」で始まり、型式にDB・DDが入るXC60だ。届出一覧表の輸入期間は、古いもので平成21年(2009年)6月から、新しいもので平成29年(2017年)12月までとなっている。

届出日届出番号部位XC60の台数(全体)
2010年1月13日外-1639燃料パイプ保護カバー445台(445台)
2010年4月5日外-1656パワーステアリング油圧パイプ固定スクリュー486台(486台)
2010年11月10日外-1710エアバッグ(整備時誤爆防止用短絡端子)270台(1,700台)
2010年11月29日外-1717頭部側面衝撃吸収エアバッグ3台(3台)
2011年1月12日外-1728フロント電動調整式座席前側停止部品16台(2,138台)
2011年3月7日外-1735カムカバー内オイルセパレータバッフル5台(5台)
2011年5月12日外-1748洗浄液レベルセンサ794台(3,463台)
2012年4月5日外-1829車両下部遮音コーティング3台(4台)
2012年4月11日外-1828前席部座席下部配線547台(3,925台)
2013年10月31日外-1978セントラルエレクトロニックモジュール23台(77台)
2016年4月14日改善対策494エンジン制御モジュール1,046台(5,244台)
2017年3月30日外-2428エアバッグ(インフレータ)46台(409台)
2019年2月15日外-2777燃料ホース1,444台(8,252台)
2019年5月22日外-2841エンジンコントロールモジュール2,432台(20,510台)
2020年1月16日外-2968排気ガス再循環装置(EGR)752台(3,379台)
2020年8月27日外-3072エンジン冷却装置(ブリーダーホース)1,030台(4,492台)
2020年10月2日外-3098エンジン冷却装置(ブリーダーホース)854台(2,691台)
2021年3月11日外-3182前席シートベルト11,302台(57,545台)

外-2841は、DB・DD系とUB・UD系の両方が対象に入っている。この表にはDD系の台数だけを書いた。

日付は国土交通省の検索結果の届出日だ。外-1829・外-1828・改善対策494の3件は、ボルボ・カー・ジャパンの一覧では1日後の日付(リコール開始日・改善対策開始日)で載っている。

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型式に「UB」「UD」が入るXC60には17件の届出がある

車台番号が「YV1UZ」で始まるXC60だ。届出一覧表の輸入期間は、平成29年(2017年)7月12日からのものが最も古い。

届出日届出番号部位XC60の台数(全体)
2019年2月15日外-2778電動テールゲート3,244台(3,244台)
2019年5月22日外-2841エンジンコントロールモジュール1,215台(20,510台)
2019年12月13日外-2967バッテリーエネルギーコントロールモジュール15台(41台)
2020年4月8日改善対策594衝突被害軽減制動制御装置3,228台(12,556台)
2020年10月2日外-3097フロントワイパーアーム8,740台(8,740台)
2021年2月18日外-3165SRSコントロールユニット15台(62台)
2021年3月26日外-3190中電圧バッテリーコントロールモジュール1台(2台)
2021年7月26日外-3254低圧燃料ポンプのヒューズ965台(5,462台)
2022年2月24日外-3354アンテナカバー1,426台(1,666台)
2022年7月27日外-3453中電圧バッテリーコントロールモジュール1,987台(8,925台)
2022年9月21日外-3467キャップレスフューエルフィラーインサート2,633台(16,007台)
2023年1月13日外-3518エンジンコントロールモジュール545台(1,285台)
2023年3月9日外-3567ブレーキコントロールモジュール475台(3,049台)
2023年9月28日外-3669リーフスプリング276台(607台)
2024年12月19日外-3905ブレーキペダル19台(114台)
2025年4月23日外-3980高電圧バッテリー127台(579台)
2025年7月4日外-4040ブレーキコントロールモジュール162台(348台)

外-3567は、国土交通省の検索結果にはXC60の型式が2つ(5AA-UB420TXCM、5AA-UB420TXCMA)しか出ない。ボルボの届出一覧表には5LA-UB420XCP2(1台)と5LA-UB420XCP2A(185台)も載っており、4型式の合計475台を書いた。

この17件のうち11件は、一覧表の「不具合件数」が0件または「なし」と記載されている。件数が多いのは外-3467(58件)、外-3453(37件)、外-3354(31件)だ。

エアサスとエアコンのリコールはXC60では見つからなかった

34件の中にエアサスペンションそのものの届出はなかった。

紛らわしいのが外-3669だ。国土交通省の検索結果では、部位の分類が「スプリング/エアサス」と表示される。しかし届出の中身は次のとおり、リーフスプリングの不具合だ。

リアサスペンションのリーフスプリングにおいて、製造機器の設定が不適切なため、強度が不足しているものがある。

エアコンについても、XC60を対象にした届出は見つからなかった。ボルボ・カー・ジャパンのリコール一覧には「エアコン(ドレンホース)」の外-2396があるが、対象車種はXC90だ。届出がないことは、壊れないという意味ではない。

ディーゼル車には燃料ホースやEGRの届出がある

ディーゼル車の型式(LDA-DD4204TXC、LDA-UD4204TXC、LDA-UD4204TXCA)が対象に入った届出は11件ある。エンジンまわりに絞ると次の6件だ。

  • 改善対策494:走行モードによってはNOxの排出値が増加するおそれ
  • 外-2777:ディーゼルエンジンの燃料ホース内部に亀裂が発生するものがある(国内の不具合件数32件)
  • 外-2841:酸素センサーに煤が堆積し、エンジン警告灯が点灯するおそれ(同117件)
  • 外-2968:EGRの冷却方法が不適切で、最悪の場合インテークマニホールドが溶損し火災に至るおそれ
  • 外-3072・外-3098:修理等により冷却水を再充填する際に、専用特殊工具を正しく使用しない場合、エアが抜けず冷却が不十分になるおそれ(外-3098は外-3072の対象範囲を広げた追加の届出)

「D4」という呼び名は、今回調べた届出一覧表には出てこない。届出は型式で対象を示している。自分の車がどの型式かは、車検証の「型式」欄で確かめる。ディーゼルのXC60についてはボルボのディーゼルの信頼性を扱った記事もある。

SUVのエンジンルームを開けて点検している様子
イメージ画像です。

XC60の新車保証は2019年モデルまで3年、それ以降は5年

ボルボ・カー・ジャパンの保証ページによると、ボルボの新車保証は初年度登録日から5年間・走行距離無制限だ。ただし例外があり、「2019年モデルまでのXC60、S60」は新車登録日から3年間とされている。

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保証を受けるための条件として、法定点検、整備手帳に書かれたメーカー推奨点検、定期交換部品の交換を指定どおりに行うことが挙げられている。ワイパーブレードやブレーキパッドなどの消耗部品は保証の対象外だ。

点検整備のプログラムは年式で名前が違う。2023年までの60シリーズは「ボルボ・サービス・パスポート Ⅲ」、2024年モデル以降は「ボルボ サービスプラン」が対象と案内されている。中古で買う場合は、どちらが付いているか販売店に確かめたい。

自分のXC60が対象かは車台番号で調べる

表の車台番号の範囲に入っていても、対象になるとは限らない。外-3669など多くの届出一覧表に「リコール対象車の車台番号の範囲内には、対象とならない車両も含まれています。」と注記がある。

  1. 車検証の「車台番号」を用意する
  2. ボルボ・カー・ジャパンのリコール等対象車両検索に入力する(平成17年以降の情報が対象)
  3. 未実施の項目があれば、正規ディーラーかボルボ・カスタマーセンター(0120-55-8500)に連絡する

検索に出る作業完了の情報は「先月末時点の情報」とされている。中古車を買う前なら、販売店に車台番号で未実施のリコールがないか確認してもらうとよい。ボルボ全体の維持費や中古車の注意点は、ボルボの維持費と故障の懸念をまとめた記事で扱っている。

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