アウディのディーゼル車の欠点は?現行9車種の価格差とAdBlue補充を確認

アウディのディーゼル車(TDI)は、2026年9月28日時点でアウディジャパンの公式サイトに「ガソリン/ディーゼル」と表示されているA5・A5 Avant・A6・A6 Avant・Q2・Q5・Q5 Sportback・Q7・Q8の9モデルに設定されている。日本では2019年2月4日にQ5 40 TDI quattroがクリーンディーゼルとして初めて導入された。

公式の資料から確かめられる「欠点」は2つある。A5・Q2・Q5では同じモデルのガソリン車より車両本体価格が28万〜35万円高いこと、そして排ガス処理に尿素SCRを使うためAdBlue(尿素水)の補充が要ることだ。一方で、Q7・Q8はTDIの方がガソリン車より安い(比べたガソリン車の方が出力が大きい)。

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故障のしやすさについては、今回確認した国交省やアウディジャパンの公開資料に、ディーゼルとガソリンを比べたデータは見当たらなかった。以下、車種と価格、排ガス処理、リコールの記録の順に確かめる。

目次

現行のTDIは9モデルで、エンジンは2.0ℓと3.0ℓ

アウディジャパンの各モデルページ(A6はプレスリリース)に載っているTDIのグレードと価格は次のとおりだ。価格はメーカー希望小売価格(消費税込み)で、販売価格は正規ディーラーが独自に定める。

モデル TDIのグレードと価格 最高出力/最大トルク
A5 A5 TDI quattro 150kW 7,350,000円 150kW(204PS)/400Nm
A5 Avant A5 Avant TDI quattro 150kW 7,600,000円
A6 A6 150kW TDI quattro 8,980,000円 204PS/400Nm
A6 Avant A6 Avant 150kW TDI quattro 9,400,000円
Q2 35 TDI quattro advanced 4,730,000円/S line 5,110,000円 110kW(150PS)/360Nm
Q5 Q5 TDI quattro 150kW advanced 8,150,000円 150kW(204PS)/400Nm
Q5 Sportback Q5 Sportback TDI quattro 150kW advanced 8,500,000円
Q7 50 TDI quattro 10,830,000円/S line 11,390,000円 200kW(272PS)/600Nm
Q8 50 TDI quattro 11,290,000円/S line 12,520,000円

総排気量はA5・Q2・Q5が1,968cc、Q7・Q8が2,967cc(V型6気筒)だ。表のTDIはすべてquattro(4WD)になっている。A5・A6・Q5のTDIには、アウディがMHEV plusと呼ぶマイルドハイブリッドが組み合わされる。A1・A3・Q3と、S・RSの付くモデルの表示は「ガソリン」だ。

A5・Q2・Q5はガソリン車より28万〜35万円高い

同じモデルの中でガソリン車(TFSI)と比べると、差は車種で違う。差額は各ページの価格から編集部が計算した。

モデル 比べたグレード TDIとの差
A5/A5 Avant TFSI quattro 150kW(7,000,000円/7,250,000円) TDIが350,000円高い
Q2 35 TFSI advanced(1.5ℓ・FWD、4,420,000円) TDIが310,000円高い
Q5/Q5 Sportback TFSI quattro 150kW advanced(7,870,000円/8,220,000円) TDIが280,000円高い
A6 200kW TFSI quattro(8,850,000円) TDIが130,000円高い
Q7 55 TFSI quattro S line(250kW、11,580,000円) TDI S lineが190,000円安い
Q8 55 TFSI quattro S line(250kW、12,720,000円) TDI S lineが200,000円安い

「ディーゼルは必ず高い」わけではない。Q7・Q8では3.0ℓ V6のTDIの方が安い。ただし比べた55 TFSIは250kW(340PS)で、TDI(200kW/272PS)より出力が大きい。A6も比べたTFSIの方が高出力(200kW)だ。Q2は、TDIがquattro(4WD)、比べた35 TFSIは1.5ℓのFWD(前輪駆動)なので、差額には排気量と駆動方式の違いも含まれる。条件がそろっているのは、TFSIもquattro・150kWのA5とQ5だ。

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排ガス処理にパティキュレートフィルターと尿素SCRを使う

TDIの排ガス処理について、アウディジャパンは2020年にA6とA7 Sportbackへ2.0ℓ TDIを追加したときのリリースで、次のように説明している。

排ガス処理は、常に燃焼温度を最適に保つ高圧・低圧の2チャンネルEGRのほか、アンモニア酸化触媒、パティキュレートフィルター、尿素噴射SCRから構成されており(アウディジャパン 2020年4月2日)

一般に、パティキュレートフィルターは排ガス中の粒子状物質を捕らえる装置で、尿素噴射SCRは尿素水を噴射して窒素酸化物を浄化する仕組みだ。この尿素水がAdBlueで、ガソリン車にはない補充の項目になる。ほかのメーカーのディーゼルで尿素水が要らない車種は、ディーゼルでアドブルー不要の車種の記事にまとめている。

輸入SUVのディーゼル車の給油口まわり
イメージ画像です。

AdBlueの補充は新車から3年間の無料メンテナンスに含まれる

アウディの新車すべてに付く「Audi Freeway Plan」は、初度登録日から3年間、法定点検やメーカー指定点検、指定消耗部品・油脂類の交換・補充などを無料で行うプログラムだ。その項目に「AdBlue®補充(ディーゼルエンジン車のみ)」が入っている。

輸入車の修理や車検は、どこに頼むかで費用が変わりやすい部分です。輸入車を扱う全国200社の工場が対応する輸入車整備・車検・修理【buv.LABO】で、見積もりを取って比べる方法もあります。

3年を過ぎた後は、2年ごとに更新する「Audi Freeway Plus. Light」にもAdBlue補充が含まれる。新車・中古車を問わず加入でき、料金はクラスごとに決まっている。

クラス 主なTDIモデル 料金(2年間)
クラスA Q2 69,000円
クラスB A5・Q5 79,000円
クラスD A6・Q7 123,000円
クラスE Q8 158,000円

このプログラムに車検は含まれない。加入できるのは、これから来る車検の180日前から60日後までで、車検から次の車検までの2年間が対象になる。

新型Q3にTDIはなく、Q3のディーゼルは先代まで

Q3・Q3 Sportbackは2026年5月19日にフルモデルチェンジした。アウディジャパンの発表では、新型の全モデルがTFSI(ガソリン)エンジンと7速Sトロニックで、1.5ℓと2.0ℓの2種類になっている。

先代のQ3・Q3 Sportback(2020年7月の資料)には、2.0ℓ TDIを積んだ35 TDI quattro(110kW(150hp)/340Nm)が設定されていた。中古でQ3のディーゼルを探すなら、先代が対象になる。

TDIが対象のリコールは20件、エンジンや排ガス装置の届出はない

国土交通省のリコール情報検索で、通称名にTDIが入る型式が対象になっている届出を数えると20件あった(2026年9月28日確認、データは2026年5月21日の届出まで)。部位はシートベルト、エアバッグ、運転支援、フェンダー内側のカバー、データバスダイアグノシスインターフェースなどで、部位がエンジン本体や排ガス浄化装置の届出はなかった。20件のうち19件は、ガソリン車の型式も一緒に対象になっている。

TDIの型式だけが対象だったのは、2020年9月24日のA6・A7 Sportback 40 TDI quattroのスターターオルタネーターの1件(240台)だ。製造公差の設定が不適切でハウジングに隙間があり、水分が入って回路が短絡すると過熱し、最悪の場合は火災に至るおそれがあるとして、対策品に交換する。

ただし同じ内容のスターターオルタネーターの届出は、ガソリンのA6・A7 Sportback 45 TFSI quattroでも2020年6月30日(413台)と2021年1月19日(14台)に出ており、ディーゼルだけの不具合ではない。

先代Q3では、燃料ゲージのリコール(外-3291、2021年10月8日)の対象の大半が35 TDI quattroだった。第2燃料タンクの燃料ゲージセンサーが燃料ラインに引っかかり、燃料が多く表示されて燃料切れで走行不能になるおそれがあるというもので、35 TDI quattro 1,026台とRS Q3 297台の計1,323台が対象になった。

また2026年9月18日には、A5 TDIq(976台)やQ5 TDIq(2,155台)を含む9,617台の電子制御ユニットのサービスキャンペーンがアウディジャパンの一覧に載った。メンテナンスおよびエンジンオイル交換表示などが正しく作動しないおそれがあるとして、プログラムを書き換える。

車検証の車台番号欄を確認する手元
イメージ画像です。

中古のTDIを買う・売るときは未実施の改修を確かめる

自分の車や候補の車が対象かは、アウディジャパンの「リコール等情報検索」に車検証の17桁の車台番号を入れると確かめられる。表示されるのは未実施分だけで、作業後の反映には1か月程度かかる。正規に輸入・販売された車に限られる。

輸入車の売却では、下取りの提示額だけで決めず、輸入車を専門に扱う店の査定も取っておくと比べやすくなります。輸入車買取センターは輸入車専門・全国対応のネット査定です。

メーカー保証(Audi Warranty)は新車納車日から3年間で、有償の延長保証(Audi CarLife Plus.)で5年目まで延ばせる。リコール・改善対策・サービスキャンペーンの改修は、保証期間とは別に無料で受けられる。

ほかの車のトラブル対策は、トラブル・弱点対策のカテゴリにまとめている。

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