CX-60のリコールはエンジン始動と変速制御が中心 10件を型式別に確認

CX-60の不具合として国に届け出られているのは、リコール10件と改善対策2件だ。国土交通省のリコール検索とマツダのリコール等情報で確かめた(2026年9月28日確認)。届出日は2022年9月22日から2024年10月31日までで、それ以降の届出はない。

中身を見ると、10件のリコールのうち6件が、エンジンの始動・再始動やエンスト、変速時のクラッチ制御にかかわる。多くは制御プログラムの修正で、特にマイルドハイブリッドのディーゼル車(型式3CA-KH3R3P)が対象に入る件数が多い。

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以下、届出を一覧にしたうえで、内容・型式・台数と、自分のCX-60が対象か確かめる方法をまとめる。

目次

CX-60のリコール・改善対策は12件ある

マツダの各ページに載っている型式ごとの台数をそのまま書いた。日付は届出日だ。

届出日 区分・番号 部位・内容 型式と台数
2022年9月22日 リコール 5209 フロントスタビライザのナット/インバータの起動 3CA-KH3R3P 879台
2022年11月17日 リコール 5243 オイルポンプチェーンの組み付け 3CA-KH3R3P 20台
2023年4月6日 リコール 5297 変速時のクラッチ/インバータ/フル液晶メーター 3CA-KH3R3P 7,874台/3DA-KH3P 2,012台/5LA-KH5S3P 606台/5BA-KH5P 190台
2023年6月15日 リコール 5342 前サスペンション・ステアリング・ABSセンサのボルト締め付け 3DA-KH3P 729台/5BA-KH5P 24台
2023年10月26日 リコール 5384 ハイブリッド起動/燃料噴射の判定/PHEVのインバータ/ビューモニター 3CA-KH3R3P 10,847台/3DA-KH3P 8,536台/5BA-KH5P 3,786台/5LA-KH5S3P 989台
2023年10月26日 改善対策 679 サイドレーダーセンサ 3CA-KH3R3P 10,165台/3DA-KH3P 7,272台/5BA-KH5P 2,421台/5LA-KH5S3P 813台
2024年1月18日 リコール 5430 電動パワーステアリングのギヤボックス 3CA-KH3R3P 12,440台/3DA-KH3P 11,290台/5BA-KH5P 5,233台/5LA-KH5S3P 1,187台
2024年5月16日 リコール 5473 燃料蒸発ガスの学習/減速中のクラッチ 5BA-KH5P 5,007台
2024年5月16日 改善対策 688 前進時左右接近物検知の誤作動 3CA-KH3R3P 11,591台/5LA-KH5S3P 1,063台
2024年7月25日 リコール 5525 停止時にクラッチが解放したままになる 3CA-KH3R3P 9,422台
2024年10月31日 リコール 5554 再始動時のクラッチ/マイルドハイブリッド用バッテリ/電源ユニット 3CA-KH3R3P 13,747台/3DA-KH3P 13,052台/5LA-KH5S3P 1,308台/5BA-KH5P 6,354台
2024年10月31日 リコール 5563 整備時に誤ったメーターのプログラムが書き込まれた 3CA-KH3R3P 1台/3DA-KH3P 1台

型式はマツダの主要諸元(2026年3月現在)で次のように対応する。3CA-KH3R3PはXD-HYBRID(e-SKYACTIV D 3.3)、3DA-KH3PはXD(SKYACTIV-D 3.3)、5BA-KH5Pは25S(SKYACTIV-G 2.5)、5LA-KH5S3PはPHEV(e-SKYACTIV PHEV)だ。XDとXD-HYBRIDのディーゼルエンジンについては、アドブルーが不要な理由を別の記事で説明している。

多いのはエンジン始動とクラッチ制御のプログラム

「エンジンがかからない」「エンストする」という不具合は、複数の届出に出てくる。CX-60のトランスミッションは、主要諸元で「トルクコンバーターレス」と書かれた8速AT(8EC-AT)で、クラッチの制御がかかわる届出が目立つ。

  • 5209: エンジンを始動する際にインバータを起動できず、エンジンが始動しないことがある
  • 5297: 強めにブレーキを踏むとクラッチが解放せず、最悪の場合エンストするおそれ。アイドリングストップ後にエンジンが再始動できない不具合も含む
  • 5384: プッシュボタンスタートをオフして約8秒後にオンすると「ハイブリッドシステム異常」が表示され、Nレンジに固定されて走行できなくなるおそれ。オフから約90秒以内はエンジンを始動できない。アイドリングストップで止まる際の燃料噴射の判定を誤り、停車中に再始動できないおそれも含む(いずれもXD-HYBRID)
  • 5473: 25Sで、減速中にエンジン回転が下がり、最悪の場合、低車速時にエンストするおそれ
  • 5525: 強めにブレーキを踏んで止まるとクラッチが解放したままになり、アクセルを踏んでも発進できなくなるおそれ
  • 5554: EV走行中に止まったエンジンを再始動できないおそれ(2項目)と、マイルドハイブリッド用バッテリのセル電圧差

対策はほとんどが、トランスミッション制御コンピュータやエンジン制御コンピュータの制御プログラムの修正だ。5473(25S)・5525・5554では、あわせてトランスミッションの初期学習も行う。部品の交換を伴うのは、エンジンを良品と交換する5243(20台)や、次の見出しの5430などだ。

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足回りとステアリングは組み付けと部品の届出

制御プログラム以外では、組み付けや部品設計にかかわる届出がある。

5342は、2022年11月18日〜12月16日製作のXDと25Sが対象だ。フロントサスペンション、インターミディエイトシャフト、フロントABSセンサのブラケットで、ボルトが規定トルクで締め付けられていないものがある。そのまま使うとボルトが外れ、最悪の場合、操舵不能や走行不能になるおそれがあるとしている。

5430は、電動パワーステアリングのギヤボックスで、噛み合い部のグリースが押し出されて摺動抵抗が増え、ハンドルを操作する力が大きくなるおそれがある。全型式が対象で、スプリングを対策品に替え、グリースを塗り直す。

5209の(1)は、フロントスタビライザのコントロールリンクを固定するナットの締め付けトルクの設定が不適切で、ナットが緩んでがたつきや異音が出ることがある、という内容だった。

サービスキャンペーンはリコールと別に8件ある

「リコールが多い」と数えるときに混ざりやすいのが、サービスキャンペーンだ。リコール・改善対策とは別に、マツダが対象車を無料で修理する措置で、CX-60(一部はCX-80と合同)では開始日が2023年4月7日から2026年8月28日までの8件が載っている。

内容は、エンジン警告灯の誤点灯やEGRバルブの故障判定、変速ショック、低速で曲がりながら段差を越えたときのフロントロアアームの異音、PHEVの故障判定などで、プログラムの修正が中心だ。最新の2026年8月28日開始の分は、マイルドハイブリッド車(3CA-KH3R3P、令和8年2月21日製作分まで)のバッテリのセル間電圧差への対策になっている。

このほか、マツダは用品として売った18インチのアルミホイール(マットブラック仕様、CX-60・CX-80用、部品番号K616-V3810)について、2025年7月11日から自主改善(無料)を行っている。ハブナットシートが組み付いておらず、使い続けるとハブボルトが折れて異音が出て、最悪の場合、走行中にホイールが外れるおそれがあるとして、良品と交換する。対象は令和4年9月〜令和6年11月出荷の1,338本だ。車両ではなく部品が対象なので車台番号の検索では分からない。このホイールを買った人は、最寄りのマツダ販売会社に連絡してほしい。

届出や措置の件数は、実際に何台が壊れたかを示す数字ではない。国土交通省は、リコールを「自動車メーカーが自らの判断により」届け出て無料で回収・修理する制度と説明している。

整備工場で診断機をSUVにつないでいる様子
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自分のCX-60が対象かは車台番号で調べる

マツダのリコール等情報のページでは、上部の「リコール情報検索」に車検証の車台番号を入れると対象かどうか確かめられる。マツダは、対象車の車台番号の範囲には対象とならない車両も含まれるとし、「対象車の製作期間はご購入の時期とは異なります」とも書いている。

対象なら、最寄りのマツダ販売店に来店日時を相談し、修理(無料)を受ける。国交省も、リコール・改善対策の際には安全確保の観点などから修理を必ず受けるよう呼びかけている。

マツダの検索では、対象かどうかに加えて対策の実施状況も確かめられる。中古で買ったCX-60も、前の持ち主のときに改修が済んでいるかをこの検索で確認できる。国交省によると、2026年4月1日以降は、実施済みかどうかをこうした各メーカーの車台番号検索で識別するようになった。未実施なら販売店に相談したい。

新車保証は一般保証3年・特別保証5年

マツダの新車保証は、一般保証が「新車登録日から3年間」もしくは「走行距離60,000km」の早い方。特別保証は「新車登録日から5年間」もしくは「走行距離100,000km」の早い方で、走る・曲がる・止まるにかかわる部品などが対象だ。

リコールや改善対策、サービスキャンペーンの修理は、この保証期間とは別に無料で受けられる。

ほかの車の不具合は、トラブル・弱点対策のカテゴリにまとめている。

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