ムーヴ・ステラのリコール10,091台|シートカバー等が基準より速く燃え広がるおそれ

ムーヴ・ステラのリコール10,091台|シートカバー等が基準より速く燃え広がるおそれ

ダイハツ工業株式会社は2026年9月10日、ムーヴのシートカバーと前席ドアアームレストについて、国土交通省にリコールを届け出た。届出番号は5874。対象はダイハツのムーヴ9,503台と、同じ車をスバルに供給しているステラ588台の、計10,091台。リコールは9月11日に始まっている。

内容は、シートカバーと前席ドアアームレストの特定の内装材で、表皮の加工方法の検討が不十分だったため、燃焼試験のときに基準より速い速度で燃え広がるものがある、というもの。保安基準に適合していないおそれがあると届け出られている。

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対象は、型式が5BA-LA850S・5BA-LA860Sのムーヴと、5BA-LA850F・5BA-LA860Fのステラで、製作期間は令和7年(2025年)5月19日から8月29日まで。直し方は部品の交換で、車台番号によって「シートカバーとアームレストの両方」か「アームレストだけ」かが分かれる。

目次

対象はムーヴ9,503台とステラ588台、計10,091台。製作は2025年5月19日〜8月29日

国土交通省のリコール届出一覧表(PDF)は、対象を4型式・8行に分けて載せている。一覧表のとおりに並べると次のとおりだ。

車名・通称名 型式 車台番号の範囲 製作期間 台数 措置
ダイハツ ムーヴ 5BA-LA850S LA850S-2000056〜LA850S-2013394 令和7年5月19日〜令和7年7月23日 4,887 ①
LA850S-2013396〜LA850S-2021413 令和7年7月22日〜令和7年8月29日 3,191 ②
5BA-LA860S LA860S-2000057〜LA860S-2002901 令和7年5月19日〜令和7年7月22日 850 ①
LA860S-2002902〜LA860S-2004772 令和7年7月22日〜令和7年8月29日 575 ②
スバル ステラ 5BA-LA850F LA850F-2000054〜LA850F-2000695 令和7年5月19日〜令和7年7月22日 282 ①
LA850F-2000697〜LA850F-2000982 令和7年7月23日〜令和7年8月29日 116 ②
5BA-LA860F LA860F-2000053〜LA860F-2000342 令和7年5月19日〜令和7年7月22日 126 ①
LA860F-2000345〜LA860F-2000510 令和7年7月23日〜令和7年8月29日 64 ②
計4型式・計2車種 令和7年5月19日〜令和7年8月29日 10,091

ムーヴは4,887+3,191+850+575で9,503台、ステラは282+116+126+64で588台。足すと一覧表の「計 10,091 台」と一致する。

一覧表の備考欄には、ムーヴの行に「Lグレード」「Xグレード」、ステラの行に「Lグレード」「Gグレード」と書かれている。ダイハツ公式サイトのムーヴのグレード一覧にはRS・G・X・Lが並ぶが、届出の備考に書かれたのはLとXだけだ。ただし最後に対象かどうかを決めるのはグレード名ではなく車台番号なので、後で書く方法で確かめてほしい。

シートカバーと前席ドアアームレストの表皮が、燃焼試験で基準より速く燃え広がるおそれがある

不具合の部位は「乗車装置(シートカバー、前席ドアアームレスト)」。一覧表は、状態と原因を次のように書いている。

シートカバー及び前席ドアアームレストの特定の内装材において、表皮の加工方法の検討が不十分であったため、燃焼試験時に基準に定められているよりも速い速度で延焼するものがあり、保安基準に適合していないおそれがある。

問題は部品の故障ではなく、内装材の「燃えにくさ」が決まりを満たしていないおそれがある、という点だ。改善箇所説明図(PDF)は、交換する部品として前席の座面、後席のシート、前席ドア内側のアームレストを色付けし、シートに「基準不適合発生箇所」の矢印を付けている。

ドアを開けた運転席まわり。シートとハンドル、ドア内側が見える車内
イメージ画像です。

届出時点の不具合件数は0件、事故は「なし」。発見の動機は「仕入先からの情報による。」とされている。

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「火が出る」という届出ではない。燃え広がる速さが基準を超えるおそれだ

「延焼」という言葉から、車から火が出る不具合を思い浮かべるかもしれない。だが届出に書かれているのは、内装材を燃焼試験にかけたときに、基準で定められたよりも速く燃え広がるものがある、ということだ。部品が発火する、熱を持つといった記載はない。

一方で、保安基準に適合していないおそれがあるのは事実で、不具合件数が0件でも直す必要がある。リコールは、保安基準に適合しなくなるおそれがある状態、または適合していない状態で、原因が設計や製作の過程にある場合に届け出て、無料で修理する制度だ。ダイハツのリコール等情報のページも、そう説明している。

直し方は部品の交換。車台番号で「シートカバーとアームレスト」か「アームレストだけ」かが決まる

改善措置の内容は、一覧表に次のとおり記載されている。

全車両、車台番号を確認し、いずれかの改善措置を行う。
①シートカバーを対策品に交換し、ドアアームレストを良品に交換する。
②ドアアームレストを良品に交換する。

表の「措置」の欄がこの①②にあたる。おおむね、7月下旬より前に作られた範囲が①(シートカバーとアームレスト)、それ以降の範囲が②(アームレストだけ)だ。ただしムーヴは①の範囲が7月23日(LA850S)・7月22日(LA860S)まで、②の範囲が7月22日からで、日付が重なっている。どちらになるかは製作日ではなく車台番号で決まる。

作業が済んだかどうかの見分け方について、改善箇所説明図は次のように書いている。

各社のインターネットホームページのリコール等情報対象車両検索に”実施済”と表示する。

ダイハツは、令和8年4月1日以降の届出から、車体に黄色ペイントを塗る識別をやめ、公式サイトの検索で表示される「実施済」を識別にしている。今回の5874も、車を見ても済んだかどうかは分からない。

対象かどうかは車台番号で調べる。メーカーの検索が早い

一覧表の注意事項には「リコール対象車の車台番号の範囲には、対象とならない車両も含まれている場合があります。」とある。表の範囲に入っていても、それだけで対象とは決まらない。また、ダイハツのリコールのページは「対象車の製作期間はご購入の時期とは異なります。」と注意している。製作期間より後に買った車でも、製作が令和7年8月29日までなら対象になり得る。

調べ方は次のとおり。車台番号は車検証に書かれている。

  • ムーヴは、ダイハツのリコール等情報対象車両検索に車台番号を入れる。修理がまだの案件が表示される仕組みで、届出日当日は検索できない場合があること、修理後に反映されるまで2週間以上かかる場合があることも書かれている
  • ステラは、スバルのリコール等情報対象車両検索で調べられる
  • 電話なら、届出の問い合わせ先であるダイハツお客様コールセンター(0800-500-0182、受付時間9:00〜17:00)に聞ける。ステラはSUBARUお客様センター(0120-052215、平日9:00〜17:00、土日祝9:00〜12:00・13:00〜17:00)も窓口だ
車のボンネットの上で車検証を広げ、スマートフォンで車台番号を確かめる手元
イメージ画像です。

国土交通省のリコール情報検索は、車名・型式・届出日から届出の内容を探す仕組みで、車台番号では検索できない。収録は2026年8月31日までの届出で、今回の5874はリコール・改善対策の届出(令和8年分)のページの9月10日の欄に「ダイハツ、スバル」として載っている。

通知はダイレクトメール。案内が届いたら販売会社に予約して無料で交換

一覧表によると、使用者にはダイレクトメール等で通知し、整備事業者には日整連発行の機関誌で、さらに各社のホームページにも掲載して知らせる。

ダイハツは公式サイトで、販売店から案内が届いたら、案内の差出し店か最寄りのダイハツ販売会社に来店日時を予約し、点検・修理(無料)を受けるよう求めている。スバルも、担当販売店か最寄りのスバル販売店に連絡して予約のうえ、改善作業(無料)を受けるよう案内している。

国土交通省は自動車のリコール制度についてのページで、「リコール・改善対策の際には、安全確保の観点などから修理を必ず受けるようにしましょう」と呼びかけている。

3月の先代ムーヴ(LA150S系)のリコール5791とは別件

ダイハツは2026年3月26日にも、ムーヴ・ウェイク・ハイゼット キャディーのリコール(届出番号5791)を届け出ている。2件は中身も対象もまったく違う。

  • 5791:対象のムーヴは型式LA150S・LA160S、製作は平成30年9月18日〜令和5年6月21日。部位はカウルルーバーで、止水シール部から雨水等がブレーキブースタに滴下し、錆が発生するものがある。直し方は点検のうえ防錆剤の塗布や部品の交換
  • 5874(今回):対象のムーヴは型式LA850S・LA860S、製作は令和7年5月19日〜8月29日。部位はシートカバーと前席ドアアームレスト。直し方は部品の交換

型式が違うので、同じ車が両方の対象になることはない。先代のムーヴ(LA150S・LA160S)のうち平成30年9月18日以降に作られた車に乗っている人は5791を、2025年5月以降に作られたムーヴに乗っている人は5874を確かめればいい。どちらもダイハツの車台番号検索で調べられる。

同じ9月10日には、三菱のデリカD:5のメーターのリコールも届け出られている。詳しくは新型デリカD:5に21,584台のリコール|メーターが映らない不具合で9/11開始にまとめた。車のトラブルと弱点については、トラブル・弱点対策のカテゴリにほかの記事をまとめている。

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