アウディの壊れにくい車種は?故障率の公表はなくリコール届出と保証で確かめる

アウディの壊れにくい車種は?故障率の公表はなくリコール届出と保証で確かめる

アウディのどの車種が壊れにくいかを、数字で順位づけできる公的な資料は見つけられなかった。輸入元のフォルクスワーゲン グループ ジャパン(アウディ事業部)も国土交通省も、車種別の故障率を公表した資料は、今回確かめた範囲では見つからなかった。この記事では「壊れにくい車種ランキング」は作らない。

確かめられるのは、国に届け出られたリコール・改善対策の記録と、メーカーの保証の中身だ。国土交通省のリコール情報検索で車名「アウディ」を調べると、届出日が2016年9月1日から2026年8月31日までの10年間で102件(リコール97件・改善対策5件)あった。ただし件数の多い少ないは、壊れやすさの順位ではない。

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買う側が確かめられるのは、新車の新車納車日から3年間のメーカー保証(有償で5年目まで延長できる)と、車台番号で調べられる未実施のリコールだ。

目次

「壊れにくいアウディ」の順位を示す公的な統計はない

故障の起きやすさを車種ごとに比べるには、同じ条件で集めた故障の件数と、走っている台数の両方が要る。日本のアウディについて、そうした数字を公表した公的機関やメーカーの資料は見つけられなかった。

代わりに、誰でも確かめられる国交省の届出の記録を、数え方を明らかにして示す。年式ごとの届出の中身はアウディの壊れやすい年式をリコール記録で整理した記事にまとめているので、ここでは車種ごとの件数と、その読み方に絞る。

直近10年の届出102件を車種ごとに数えるとA6系の件数が最も多い

国交省の「リコール情報検索」は、1993年4月15日から2026年8月31日までの届出日の中から検索できる。車名「アウディ」の届出は全部で160件あり、編集部はそのうち届出日が2016年9月1日〜2026年8月31日のもの(102件)と、2021年9月1日〜2026年8月31日のもの(45件、すべてリコール)を数えた(10月3日取得)。「AUDI」「アウディジャパン」などの表記では0件だった。

数え方は次のとおりだ。届出に書かれた通称名に「A4」「S4」「RS4」などが入っていれば、その届出をA4に1件と数える。届出1件に複数の車種が入っていることが多く、10年分の102件のうち46件は2つ以上の車種にまたがる。そのため、車種ごとの件数を足すと102件を超える。

車種(派生モデルを含む) 2016年9月〜2026年8月 2021年9月〜2026年8月
A1 6件 3件
A3(S3・RS3) 11件 3件
A4(S4・RS4・オールロード) 18件 3件
A5(S5・RS5) 12件 2件
A6(S6・RS6・オールロード) 30件 15件
A7(S7・RS7) 23件 14件
A8(S8) 18件 10件
Q2(SQ2) 4件 4件
Q3(RS Q3) 11件 4件
Q5(SQ5) 16件 5件
Q7(SQ7) 15件 7件
Q8(SQ8・RS Q8) 11件 9件
TT(TTS・TT RS) 10件 3件
R8 3件 1件
e-tron(e-tron Sを含む) 6件 6件
Q8 e-tron(SQ8 e-tron) 4件 4件
Q4 e-tron 1件 1件
e-tron GT(RS e-tron GT) 7件 7件

A6 e-tronとQ6 e-tronは、どちらの期間も0件だった。検索の収録範囲より後の2026年9月16日には、TT・TTS・SQ2・S3・A3・RS3の燃料タンクのリコール(外-4239)が届け出られている。内容と対象の調べ方はアウディA3・S3・TT・SQ2などのリコールの記事にまとめた。

自宅の木のテーブルで、白紙の書類とスマートフォン・車のキー・コーヒーを並べて確かめる手元
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件数が少ない車種が壊れにくいとは言えない

この表を「件数が少ない順=壊れにくい順」と読むのは誤りだ。理由は4つある。

1つ目に、リコールは故障の記録ではない。設計・製造過程に問題があって安全・環境基準に適合していない(またはそのおそれがある)車を、メーカーが自らの判断で国に届け出て無料で回収・修理する制度だ(国交省の説明)。届出の台数は対象になりうる範囲で、実際に壊れた台数ではない。

2つ目に、届出日と車の新しさは一致しない。たとえば2021年12月8日のエアバッグのリコールは、2000年2月14日〜2001年9月3日に輸入されたA4・A6・A8・TTが対象だった。直近5年の件数にも古い車の届出が入る。

3つ目に、件数は1つの届出に何車種入るかに左右される。2024年3月7日のかじ取り装置の制御コンピュータのリコール(6,536台)は1件の届出で、Q7・Q8・A6・A7・A8・e-tron GT・e-tron・Q8 e-tronの8車種にまたがる。この1件で8車種の件数が1件ずつ増える。

4つ目に、販売期間の長さとグレードの多さが違う。長く売られ、種類が多い車種ほど届出に名前が入る機会は増える。0件も「壊れない」という意味ではない。

現行のアウディはガソリン・ディーゼル・PHEV・EVで仕組みが違う

同じアウディでも、動力の仕組みが違えば、点検や消耗品の中身も変わる。アウディジャパンのラインアップのページ(2026年10月3日確認)は、15の車種・50モデルを次のエンジンタイプで分けている。

エンジンタイプ 現行の車種(公式の表示)
ガソリン A1、A3・S3・RS 3、S5・RS 5、A8・S8、SQ2、Q3、SQ5、SQ7、SQ8・RS Q8 performance
ガソリン/ディーゼル A5、A6、Q2、Q5、Q7、Q8
プラグインハイブリッド A5 e-hybrid、A8 TFSI e・A8 L TFSI e
電気自動車 A6 e-tron、Q4 e-tron、Q6 e-tron、Q8 e-tron、e-tron GT

新車に付くメンテナンスの項目も、パワートレインで分かれている。AdBlueの補充はディーゼル車のみ、高電圧バッテリーのクイックテストはBEV(電気自動車)のみと書かれている。ディーゼル車についてはアウディのディーゼル車の欠点の記事で確かめている。

新車は3年保証が付き、延長保証で5年目まで延ばせる

壊れにくさを比べられない以上、故障したときに誰が費用を持つかを確かめておきたい。アウディジャパンの保証は次のとおりだ。

内容 期間 主な条件
メーカー保証(Audi Warranty) 新車納車日から3年間 部品の材質や製造技術上の問題による故障を正規ディーラー指定サービス工場で無料修理
塗装の保証 新車納車日から3年間 塗装の不具合
錆穴の保証 新車納車日から12年間 ボディの内側・下側からの腐食による穴あき。走行距離にかかわらない
延長保証(Audi CarLife Plus.) 5年目まで(有償) 一般保証とAudi Roadside Assistanceを延長。新車新規登録日から3年以内の車が加入できる
Audi Freeway Plan 初度登録日から3年間 法定点検・メーカー指定点検・指定消耗部品と油脂類の交換などを無料で提供(新車に標準付帯)

メーカー保証は「定期点検整備を実施し、正しい取り扱いを行った車両」が前提だ。延長保証も、保証修理を受けるときはメンテナンスノートに書かれた定期点検整備を受けていることが必要とされている。適用されない条件もあるので、範囲はメンテナンスノートか正規ディーラーで確かめたい。

Freeway Planの後は、有償のAudi Freeway Plus. Lightを2年ごとに更新して最長15年間メンテナンスを受けられる(車検は含まれない)。

中古は認定中古車の保証期間と整備記録を確かめる

中古は、新車保証の残りや認定中古車の保証で買った後の負担が変わる。Audi認定中古車の保証は3つのグレードで、内容は同じで期間が違う。

  • Premium Plus:初度登録3年以内の車。新車保証の残期間にさらに2年を加える(初度登録から最長5年)
  • Premium:初度登録3年超10年以内の車。中古車登録から2年
  • Audi Approved Automobile:初度登録12年以内の車。中古車登録から1年

どのグレードも有償で1年または2年の延長保証に入れる。ただし保証は車両状態や走行距離などにより販売店が付けるものとされている。認定中古車の条件には、新車登録時からの正規メンテナンスノートがあること、走行距離10万km以下、修復歴車・改造車でないことなどが挙がっている。

認定中古車でなくても、点検整備記録簿(メンテナンスノート)は買う前に見せてもらいたい。国土交通省によると、マイカーは1年ごとに29項目、2年ごとに計60項目の定期点検整備を行う必要があり、点検整備記録簿は車に備え付けることになっている。アウディの中古価格の見方はアウディの中古価格は高騰している?の記事、Q2の販売状況はアウディQ2は廃止された?の記事にまとめている。

保証が切れた後の整備や車検をディーラー以外にも相談したい場合は、輸入車を扱う全国200社の工場から探せる輸入車整備・車検・修理【buv.LABO】で見積もりを取って比べる方法もあります。

車の荷室の縁で、点検整備の記録簿(白紙の表)をめくる手元と作業手袋
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買う前に車台番号で未実施のリコールを確かめる

国交省の検索は車名・型式・届出日から探す仕組みで、車台番号では検索できない。

自分の車や買う候補の車を調べるなら、アウディジャパンの「リコール等情報検索」に車検証の車台番号(半角英数字17桁、ハイフンは除く)を入れる。この検索は未実施のものだけを表示し、作業を済ませてから反映されるまで1か月程度かかる。正規に輸入・販売された車に限られる。

アウディジャパンは、車台番号の範囲には対象にならない車や、すでに対策が終わった車が含まれる場合があるとして、迷うときは正規販売店のサービス工場に車か車検証の内容を示して問い合わせるよう案内している。リコール・改善対策の修理は無料で、国交省は安全確保の観点から必ず受けるよう呼びかけている。アウディ選びの参考には、アウディに乗る人の特徴や年収の記事もある。

ほかの車のトラブル対策は、トラブル・弱点対策のカテゴリにまとめている。

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